未来予報士現実主義者の恋物語【シンタロー】

第２話 ページ4

一度脳梗塞で倒れ、余命１ヶ月とか言われ、

毎日泣きながら過ごし、余命が明日になってしまったある日。

意識を失っていたハズの祖父は目を覚ました。

唖然。

そんな奇跡があるのか、と思った。

そしてその時も珍妙な発言をする。

『Aよ、今起きたぞ…。

なんかライオンの夢を見てたわい…。』

後遺症が残る可能性も…。

とか言われたモノの、どこも悪くなさそうだった。

生命力パナい←

この人、あと何年生きるんだろうか。

て言うか、こんなに働いてるのが凄い。

んで、今に至る。

今のところ、再発はナシ。

本当に変わった人間だ。

…こんな非現実的な話、信じるかよ！

なんか昔の事を思い出していたら、複雑な気分になり、無性に外へ行きたくなった。

玄関へトボトボと歩いていき、ため息をつきながらスニーカーを履く。

ドアを開く。

鍵は自動で閉まるから閉め忘れとかなくて安心だ。

指紋認証＋顔認証で家に入れば良いのだ。

ちなみにこれも特注品(３６５０万円＋税)。

A「さっむ…。もっと厚着してくればよかった…。」

街はクリスマス間近と言うのもあり、カップルが大勢いる。

A「……現実見ようよ。」

いつもの口癖がつい零れる。

いや、別に羨ましいとかじゃないからね！？

はぁ…もう今日は何なんだか…。

まぁ、暇つぶしに未来予報でもしようかな…。

その辺にあったベンチに腰掛け、

目に意識を集中させる。

お、来た来た。

あー、これはあたしか。

ここは…さっき通った街…。

あたしが歩いて…くしゃみしてる…。

何このハズい映像…///

んで…誰かにぶつかってる…。

そしてあたしが何か言って…。

その人はあたしの手を握り、走り出す…。



あーもーやめよ。

こんなくだらない未来予報を、あたしは信じなかった。

でもあたしは忘れていた。



あたしの未来予報は…。

的中率１００％ということ。

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