6つの色と色彩世界。【ワイテルズ】 (ページ28)

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一人じゃない、六人じゃない。ページ28

～BroooockSide～
…何、これ。

Nakamuは、こんな事何一つ言わなかった。
僕等も気づかなかった、否。
気づけなかった…。

彼が自分だけ戦闘に置いて役立たずで有ることを凄く気にしているのは皆知っていた。
でもまさか、こんな過去が有ったなんて誰も...。

「う…ぶるっく…？」
「…Nakamu!」

まずい、Nakamuが起きてしまった。焦って手を引っ込めると、僕は作り笑いをする。
「…何、してるの？」
「え～？なんか眠れなくて…」

曖昧な答えを返した。
だが、次の言葉に僕は驚く。

「…珍しいね」
「うん…って、え！？」

それは、僕が普段から眠たいのを知ってることになる。

「思い出したの…？！」
微かな希望を込めて、そう聞く。
彼は、微笑んだ。僕と同じように。
唯一つ違うのは。

彼の頬で、光る物が伝っている。

「Nakamu…？」
「ぶるっく…俺…思い出せそうで、思い出せないんだ…」
「…」

何も、答えられなかった。
僕に今出来ることは。

「ごめん。Nakamu。」
「？」
「君の過去…見ちゃった…」

「…え。嗚呼。悪夢の所以はそういうことだったんだね…」
また、彼は作り笑いをする。

彼のそういうとこ、僕は嫌いだ。
本当に大事な時に、本当に大事な自分の感情を。

押し殺してしまう事。

何時もみたいに、キレてくれて構わないのに。

「大丈夫、皆には絶対に言わないよ。僕口固いから。」
「…ほんと、かよｗ」
「…信用されてないの？！うわー僕ショックだわーｗ」
「ふふっｗ」

少し笑った後、僕は意を決して言った。
「Nakamu…一人じゃないし、今は六人でもない...だから、抑えなくていいんだよ…？」

その夜。
僕は子供の様に泣きじゃくるNakamuを、傍でずっと励ましていた。