反撃開始だ ページ22
〜きりやんSide〜
「…ベキュラマ」
金色の光が部屋を包む。
右腕の紫色の紋に手を当て、祈るような眼で見つめていた。
光が薄くなり消え、手を放す。
紫の色が、少しだけ薄くなっている。
「…！」
これを続ければ何とかなるか…？
「どう？きりやん」
「うん、大丈夫かも…ふう…」
俺は汗だくの額を拭うと、深く息をついた。
最高位治療魔法開放しないと無理なのかよ…。
ガチャ
「あ、Nakamu…。スマイルときんときのほうは大丈夫？」
「…」
ドアの音がして、Nakamuが入ってきた。
ぶるっくが尋ねるが、彼は黙ったまま。
「…えNakamu？どうかしましたか〜？」
「シャケはどうなった」
彼らしくない低い声で、彼は一言だけ聞いてきた。
何かあったんだ。そう思った。
「傷とかはなんとかなった。こいつもしぶといわマジで。…助かったよ、呪い以外は。」
「…本当に？！」
「ああ。呪いの治療も何とか光明が見えた。時間と俺の体力かかるけど」
「…そっか。」
「何があった」
今度は俺が訊いた。
「スマイルが逃げた。すまん」
察してはいた、が…。
「はあ！？」
叫んでしまう。
「…彼奴も変わんねえなまじで」
「それでなんだけど」
急に、Nakamuの声色が変わった。
「明日出発しようと思う」
「…はあああ？！！」
今度は、思いっきり叫んだ。
「君馬鹿？シャークん置いてくの！？きんときは？！」
「…逆に今一番ヤバい状態なのシャケじゃなくてスマイルじゃね？身体的にも精神的にも。俺はあいつを助けてそのご主人様とやらをぶっ倒してやる」
水色の瞳が、燃えている。
それは囂々と、勇敢に。
「…はは、Nakamuいつにもましてやる気だね〜。どしたの？」
「スマイルが騙し打ちした。この意味を考えろ」
あれは俺も衝撃だった。
何時も煩い程勝負に公平な彼奴がまさか。
まあ、たまに汚い真似するけどな。
それはあいつなりの作戦だ、一騎討ちなのに別のやつに隙をついて攻撃するなんて作戦とは言えない。
「スマイルの性格変えた奴を潰す」
「ん、僕も賛成」
「なんだかんだ出番なかったし賛成()」
「…シャケは、きんときが見ててもらえれればいいよ。休みながらで。俺ら三人で、やるぞ」
「ああ」
「…反撃開始だ」
ああ、そうだった。
こいつの意見は、無駄に説得力があるんだよなあ。
決着まであと4日。
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すみれ - 完結からずいぶん遅れましたけど完結おめでとうございます!とてもいいお話でしたよ!最高のお話ありがとうございました (2022年10月19日 17時) (
レス) @page38 id: a70cb7c9e5 (このIDを非表示/違反報告)
らっきー(プロフ) - 更新遅れてほんっとにごめんなさい…。ていうか今日の掛けあい分かりにくっ？！ちゃんとスペース開けたのに…。 (2019年7月23日 20時) (レス) id: db40170fca (このIDを非表示/違反報告)
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