夢と進軍 ページ23
〜シャークんSide〜
ぴたっ…。
掌に張り付くような冷たい感覚。
俺は目を開けた。
「ん…」
ぽあぽあするような、なんとも言えない浮遊感が体を包む。
ふと立ち上がり、周りを見渡すと俺はここが、
恐ろしい程見覚えの或る事に気づいた。
「…っ！」
声を出しそうになって、隣の部屋に小さな人影があるのに気づき咄嗟に口を塞ぐ。
緑色のシャツを着たそいつは、嬉しそうにぱたぱた走り回ると声をあげた。
『ありがと、母さん！僕これ一生大切にする！』
まだ幼い彼の腕の中に大事に抱えられているのは、柄が緑色のクリスタルでできた、白金のダガー。
これは、
俺の、記憶？
『もう、ミドルはほんとに剣が好きなのね...。いい？前もあったけどあなたはいつも周りから狙われてるのよ？もし命の危険があったら、それで身を守ってね。でも、それ以外の時は鞘に入れておくの。』
『うん、わかった！』
「…覚えてる」
ぼそっと、呟いた。
『そうだ、もし絶対に無理だ、という状況になったら、これを使ってね』
彼女は柄で光り輝いているクリスタルを指して言った。
『これを押すの』
「…うん」
『でもこれは最後の手段よ。これを使う時は…』
『「本当に、守りたいものがあるときに使いなさい」』
「っ！！」
その瞬間、記憶がすべて元に戻った。
そうだ
俺は、何をしてる？
あいつらを守ってやるんじゃ、なかったのかよ。
「なに寝てんだよ、シャケ。起きろよ、なあっ！」
あいつの必死な声が聞こえた。
〜BroooockSide〜
＿＿＿スマイル救出、黒の王討伐隊のBroooockから休憩班のきんときへ。
「スマイル、スマイル！聞こえる？！聞こえたら返事して！」
「ぶるーくそっちは？」
「鍵が掛かってる！」
「じゃあもうそこしかなくね？全部確認したよね？」
「うん！」
＿＿＿こちらは、無事敵陣に潜入成功しました、どうぞ。
〜きんときSide〜
＿＿＿了解。引き続きスマイル捜索を続けてくれ。
「…うぅ、あれ、きんとき…？」
「っ！？シャケっ！！」
「ここは…」
「馬鹿やろっ！！！お前何日倒れてたかわかってんのか！？」
「…え、俺なんかした？ってかお前記憶が…」
「お前の記憶もぶっとんでんじゃねえよ」
＿＿＿後、もう一つ報告だ。
＿＿＿シャケのやつ、生き返りやがった。
〜
…あと3日。
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すみれ - 完結からずいぶん遅れましたけど完結おめでとうございます!とてもいいお話でしたよ!最高のお話ありがとうございました (2022年10月19日 17時) (
レス) @page38 id: a70cb7c9e5 (このIDを非表示/違反報告)
らっきー(プロフ) - 更新遅れてほんっとにごめんなさい…。ていうか今日の掛けあい分かりにくっ？！ちゃんとスペース開けたのに…。 (2019年7月23日 20時) (レス) id: db40170fca (このIDを非表示/違反報告)
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