隠の怒り ページ17
◆
「珠世さんによろしく」
「!?」
その言葉の真意を聞こうとすると、俺を抱える隠の人達が
物凄い速さでその場から駆けてしまっていた。
「ちょっと待って!!
今、今…ちょっと待ってくださ…」
__ボコッ
最後まで言葉を紡ごうとしたが、禰豆子の入った木箱を抱える隠の人がボカボカと殴りつけてきた。
「お前ェェ!!もう喋るなァ!
お前のせいで怒られただろうが!!」
「漏らすかと思ったわ!!」
「柱すげぇ怖いんだぞ!!
空気読めよ、察しろ!!!」
抱えきれない畏怖の匂いがした。
相当怖かったのだろう。
珠世さんの事について気になる反面、隠の人達の攻撃は止まらない。
「謝れ!!謝れよ、謝れ!!!
謝れーーーーーーーっ!!」
あまりにもすごい剣幕で言われるので、つい圧倒されてしまう。
「す…すみません…」
頬をつねるのやめてください…イタイです…
_______________
___________
____蝶屋敷
隠の人に抱えられてしばらくすると立派な屋敷に着いた。
鬼殺隊の本拠地である先程の屋敷には、少し見劣りはするがやはり立派な造りの屋敷だ。
「ごめんくださいませー」
「ごめんくださいませー」
「ごめ…全然誰も出て来ねぇわ」
「勝手に上がるのもなぁ…」
「庭の方回ってみるか?」
そう言うと今度は庭の方に回り込むことになった。
庭へ向かう途中、俺を抱える隠の人が質問を投げかけてきた。
「そう言えば、お前あの
「い、いえ!今日初めてお会いした方です…!」
「それ思った!あの雪のように冷たい印象の方が、あんなに喋るのは初めてみたよな」
「あぁ、初めてって本当なのか??」
冷たい?
確かに表情は無表情で冷たい印象があったけれど…
けれど、あの人はとても温かくて…春の陽だまりのような匂いがしていた。見た目の冷たさとは裏腹に心根が綺麗で温かな人なんだろう。
俺は匂いに機微な事も相まって尚更そう感じる…
「はっはい!とても良い人だと俺は思います!」
「確かに良い人だな、隠の俺達にも気を使ってくれるし。」
「しかも柱に昇進ってほんとにすごいよな…」
「あぁ最近では、鬼殺隊で唯一柱に近い男と言われてたしな。
我流であそこまで上り詰めたとなると、本人としても相当感極まっただろうな。」
「えっ!我流ですか!!!?」
___________
120人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「鬼滅の刃」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
渦(プロフ) - 星猫さん» ありがとうございます!コメント返信遅くなってしまって申し訳ないです!!これからも頑張って更新させていただきますね! (2021年9月15日 21時) (レス) id: d1870f2c27 (このIDを非表示/違反報告)
星猫 - 初めまして!とっても素敵ですね!高評価しました! (2021年9月9日 21時) (レス) id: f84c743866 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:渦 | 作成日時:2021年1月6日 1時