照らすために息をしている (ページ20)

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19．きらめきは死なないページ20

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「なんか機嫌悪くない？」
「純喜くんと喧嘩した」
「珍しいじゃん、なんかあったの」

「純喜くん今度の週末キャンプ行くんだって」
「ダメなの？」
「泊まりで女の子もいる」
「あー、だからね」

「別にいいんだけどね！友達多いのも友達大切にしてるとこも好きだし！」
「なに結局のろけなの？」
「違うよ」

「まあA、友達いないもんね」
「いるよ！てか景瑚だって友達少ないじゃん」
「俺のことは関係ないじゃん！！」

昼下がりのカフェテラス。

ここのテラス席人通りも多くないし結構好きなんだけど、アスファルトの照り返しがそろそろしんどい。

友達の少ない私がこんな相談が出来るのは景瑚くらいしかいなくて、景瑚も知り合いは多いけど友達はそんなに多くはない。

純喜くんは知り合いも友達も多い。多分友達の友達は友達だと思ってる。二人で出かけていて純喜くんの友達と遭遇するとこも何度かあった。

「別にたかが一泊でしょ、二人っきりってわけじゃないし。純喜くんは浮気とかしないし」
「純喜くんがその気なくても女の子はそうじゃないかもよ」
「景瑚は私たちをどうしたいの？！？！」
「あははは！冗談だって！純喜くんに言えばいいのに。行かないでって」
「言わないよ、めんどくさいって思われたくないもん」
「もう既にめんどくさいから大丈夫だって」

めんどくさいのは自覚があるけど、
そういわれるとちょっと傷つく。

別にどこに行ったっていいんだよ。友達を大事にしてるのはいいことだし。私虫嫌いだから別にキャンプとか興味ないし。ただ、決まる前に一言相談くらいしてほしいし、私がどう思うのかとかちょっとくらい考えてほしいの、それだけなの。

「Aの言わないほうがいいことは大体言ったほうがいいことだよ」
「なにそれー分かったような口きいて」
「大体わかるって、友達何年目だよ」
「…じゃあそんな女心のよくわかる景瑚にも早く彼女が出来るといいねー」

何だと！と怒って私をふざけて叩こうとする景瑚。

あーこうやって高校生の頃も廊下で追いかけっこして先生に怒られたな。

私たちはもう高校生じゃない。

あの頃と過ごしている場所もそばにいる人も違う。

大人になったんだから素直にならないと。

家帰ったら純喜くんに連絡しよう。

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