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「 えいち、せんぱい 」
「 ... ？ 」
「 呼んでみた、だけです 」
「 __ そう、 」
無理矢理開いたパラソルの下に椅子を置いて2人で座った。
暑さは病気の天敵だから、もうちょっとしたら帰らなくてはいけない。
... 主に、英智先輩が。
煩い蝉の大合唱を聞き流しながら、美しい横顔をぼんやりと眺めていた。
「 Aちゃんの病気は、どういう症状があるんだい？ 」
「 それ聞いて楽しいですか 」
「 ううん、別に 」
「 ... 私の病気は、普通じゃなくて。ざっくり言えば奇病って括られるやつです。
夜、眠っている時だけ息が止まってるんです。
だから、もしかしたら今日、明日明後日、死ぬかもしれません。 」
「 なるほどね 」
「 酸素吸入器、つけたまま寝てるのですっごい寝にくいですよ、私。」
「 へぇ 」
「 英智先輩 病室どこですか？ 」
「 1016号室だけれど、Aちゃんとは遠いかもしれないね 」
「 私は808です、あたり。病棟すら違いますね。今度昼間、暇なときに会いに行きます。いいですか？ 」
「 もちろん、いつでも待ってるよ。 」
「 ありがとうございます。帰りましょう 」
時間は、まだまだたくさんあると思いこんでいる。
左ポケットに入ったiPhoneが4時を知らせるアラームを鳴らして、ふと時間に気づいた。
ああ、いくら私の時間が遅くても
世界は私中心に回ってくれるわけじゃないんだよ。
暑いなって思って、日傘を差していた英智先輩に軽く体当たりして、
それで、日に焼けると悪いからって、傘に入れてもらった。
きらきらとオレンジ色が世界を染めて、こんな東京のド真ん中みたいな街も 何処か切なさを物語っていた。
「 英智先輩？私、ずっと前から先輩のこと知ってましたよ 」
「 ... 僕も 」
ずるいよね、せんぱい。
手、握らないで。
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ＭｉｎＴ(プロフ) - さくやーさん» わわ、閲覧ありがとうございます (^-^) そう言っていただけて何よりです！！！ (2017年5月30日 9時) (
レス) id: 2b0d780a77 (このIDを非表示/違反報告)
さくやー - 読ませていただきました！！とても面白かったです！英智様最高です！ (2017年5月30日 1時) (レス) id: 5ce56128e2 (このIDを非表示/違反報告)
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