サイドストーリー 2ー10 ページ6
※A視点
目を覚ますと、目の前には涙をぼろぼろこぼした宙くんの顔があった。
「彼女さんっ!!ごめんなさい…嫌いって言ってごめんなさい…!」
「えっ…あの…宙くん?」
ベッドに顔を伏せて泣き出してしまう宙くん。体を起こしながらどうしたのか訪ねようとすると、彼の後ろからさらに声が飛んできた。
「ソラは、君に八つ当たりしてしまったことを謝りたいんだヨ」
「夏目くん…」
「君が倒れたのは、自分が酷いことを言ったせいだっテ」
夏目くんの言葉に慌てて首を振り、目の前の宙くんの手を握った。
「違うよ!私の体調管理が甘くて…仕事の効率も悪かったせいだから…。宙くんのせいじゃないよ?」
顔をあげた宙くんは、不安そうな表情を浮かべていた。大丈夫だともう一度笑いかけると、はい…ありがとうございます…と、ようやく落ち着いてくれた。
「やっと繋がったヨ。Aが最近会ってくれなかった理由。ソラとボクの時間を増やそうと思ったんだネ?」
夏目くんはベッドの横までくると、そっと頭を撫でてくれた。
「Aのことだから、ソラにもボクにも、迷惑をかけないようにって考えたんだろうけド…。相談して欲しかったヨ。キミに嫌われてしまったかもしれないって、本気で考えタ。」
「…ごめんなさい」
「困ったことがあるなラ、次からはちゃんと言って欲しいナ。迷惑なんて思わないかラ。むしろ相談して貰えないのは、ボクが頼りないからなのかなって考えちゃうヨ。」
困ったように笑う夏目くん。申し訳ない気持ちが込み上げてくる。そんな顔をさせたいわけじゃないのに…。
「頼りなくなんかない!いつも助けてもらってるのに、そんなわけないよ!ごめんなさい…鳴上くんにも、一人でなんとかしようとするの悪い癖だっていわれたの。これからは、ちゃんと相談するようにする…。」
「うン。そうしテ。久々に会う彼女が、具合が悪そうにしていテ…本当に心配したんだヨ。キミを近くで守りたイ。辛そうなら、それに一番はじめに気づきたイ。」
頭を撫でていた手が、頰に降りてきた。親指で目元を優しく撫でられて、その暖かさに思わず目を細めた。
「うん。…ありがとう…夏目くん」
柔らかく微笑んでくれた夏目くん。すると、ベッドサイドに座っていた宙くんが、ふふふと笑った。しまった…また彼を蚊帳の外にしてしまった…。焦っていると、
「2人の色はお日様の色な。宙はこの色が大好きです。」
そう言って、宙くんはにっこり微笑んだ。
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minrisyan(プロフ) - 星乃刹那さん» 嬉しいお言葉、ありがとうございます!ゆっくり更新ですが、皆さんに夏目くんの魅力が少しでも伝わるように頑張ります!! (2020年3月5日 23時) (レス) id: 8bdb17c1dd (このIDを非表示/違反報告)
星乃刹那(プロフ) - うわぁ、すごい好きです!続き楽しみにしてます! (2020年2月20日 14時) (レス) id: 7c149933cf (このIDを非表示/違反報告)
minrisyan(プロフ) - 一期Loveさん» コメントありがとうございます!私の理想の夏目くんをひたすら書かせて頂いているのですが、気に入って頂けたのなら嬉しいです!今後もまだまだ更新をしていきますので、どうぞよろしくお願いします! (2019年9月5日 20時) (レス) id: 84aad287f8 (このIDを非表示/違反報告)
一期Love(プロフ) - 凄く面白いです!本編の方もすぐに読み切っちゃいました。読み返しては夏目くんいいなーと思わせて頂いています!更新頑張って下さい!楽しみにしてます! (2019年9月5日 3時) (レス) id: 2345a9075e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:minrisyan | 作成日時:2019年9月1日 20時