ライバル？ ページ8
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「えーと資料室は……」
案内板で確認すると、丁度この下。
それにしても、こんな時間まで戻ってこないなんて一体何してるんだろ。
資料室で誰かと談笑でもしてるんだろうか。大いに有り得る。
残業サボるなんてけしからん！羨ましい！と本音をぶちまけ階段を降り、あっという間に資料室前。
部屋からは蛍光灯の白い光が漏れていて、耳を澄ますと案の定話し声がポツポツと聞こえる。
途切れ途切れに聞こえる声はトンちゃんのもので間違いない。…けど、
「………誰だろ…」
トンちゃんに向けて言葉を投げかけているもうひとつの声は、女の人のものだった。
ちょっと待って、どこの誰？
思わず声に出してしまうほど気が動転してしまった私は、ほんの壁一枚隔てた先にいるトンちゃんに声をかけることなんて到底出来ず。
かと言ってタチの悪い盗み聞きを続ける勇気も無く、でもトンちゃんの目線の先にいる女の人がどんな人なのかも気になる、どうしよう、という突然の最難関ミッションに襲われていた。
時刻は20時半。
先輩達にトンちゃん生存確認のメールを入れて、休憩スペースのソファに腰を下ろす。
これぞ秘技、張り込み。
気分はアンパンと牛乳を両手に持つ刑事。
否、私が持っているのは、こんな時間まで1人で何やってるんだろう、という冷静な自分の感情と、単純な自己顕示欲を満たすためだけの好奇心だけど。
………はぁ、とひとつ息をついてぼんやり考える。
トンちゃんに彼女がいるなんて聞いたことない。
女性社員さんと喋っているところは見かける。けどそれは、一方的に話しかけられていることのほうが圧倒的に多くて。
………あんな風に親しげに喋っているところは見たことがなかった。
最近になってようやく少しだけトンちゃんに近づけた気がしていたのに、また一気に遠く離れてしまったような気分。
いや、近づけたと思っていたのも私だけだったのかな…。
気分は一気に沈み込み、誰も見ていないのをいいことに目の前の机にぐでんと突っ伏した。
「うわっ！Aちゃんなにやってんの？そんなとこで、」
真横から急に話しかけられ心臓が縮み上がる。パッと顔を上げると、
「しゃ、シャオちゃんこそなんでここに…」
「俺？ ココア買いに行っててん」
「ココア？」
「うんそう。 急に飲みたなってさぁ〜…あ、ココアってこの上の階の自販機にしか無いねんで」
知ってた？といたずらに笑い隣に座るシャオちゃんに小さく知らない…とだけ返した。
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林檎(プロフ) - え、これも神作品ですね。tnちゃん可愛すぎかよ。 (2020年5月26日 2時) (
レス) id: d1841ceef2 (このIDを非表示/違反報告)
ゆらら(プロフ) - おいちこさん» 嬉しいお言葉ありがとうございます；；最新作以外全て完結済ですので、ぜひ覗いて見てください( ´ ` *)コメントありがとうございました！ (2020年2月5日 17時) (レス) id: 5de7af82d2 (このIDを非表示/違反報告)
おいちこ - こんなに面白いの読んだことないわ...！めっちゃ最高でした！神作品ありがとうございますぅぅっっ！！トントンさんのこともっと好きになりました。他の作品も読ませていただきますね！ (2020年2月5日 16時) (レス) id: 5e1cddc80f (このIDを非表示/違反報告)
ゆらら(プロフ) - しゅなさん» プロ結果頂き光栄です(涙)こちらも覗いてくださりありがとうございます！連載中の作品もお楽しみいただけたら幸いです( ´ ` *) (2020年1月1日 21時) (レス) id: 5de7af82d2 (このIDを非表示/違反報告)
しゅな - はいプロ、神。これは…鼻血だらだらですわ。とんち可愛ええ！＋イケメン！…は？…僕もう…昇天したんやけどｗｗｗ (2020年1月1日 19時) (レス) id: e68f489c1a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆらら
| 作成日時：2019年12月20日 22時
