【カゲプロ】四 角 関 係

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カノside



僕は部屋に入ると、ベッドに飛び込んだ。



大きいため息をつく。




保健室で、Aが呼んだ名前もセト。



帰りに、Aの口からでた名前もセト。





結局、僕がどう頑張ったって、Aの目に映るのはセトなんだ。



僕じゃないんだ。




そんなの知ってる。





知ってるけど、やっぱり悔しい。



昔から、僕はAのことが好きなのに。




Aが想い続けるのは、セト。







カノ「っ………」



自然と、目から涙が溢れた。


目から零れた涙は、枕に染みをつくっていく。




……あぁ、泣いちゃいけない。



好きな人の恋なんだから、応援しなきゃいけない。



好きな人の幸せを、心から願わなきゃいけない。





涙なんか流しちゃいけない。




笑って、見守ってあげなきゃいけない。





…なのに



泣くなんて、最低だ。




僕は、枕に顔をうずめて、声を押し殺して泣いた。




こんな自分が憎くてたまらなかった。





笑って応援できない自分が大嫌いだった。









もしも二人が結ばれたなら、その時はちゃんと



笑って祝福するから。





だから







今だけは








君を想って泣いても、いいですか…？

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