痺れるほどの快.楽を【マフィア松】

第一章：蝶 ページ2

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人間は残酷だ






必要とされない


あるいは価値観のずれ




それによって人はあっさりと切り捨てられる









それに比べると蝶はいい。





好きな場所へ行けるし


自己責任という代償に自由が約束される









(私も蝶になれたらどんなにいいことか)








憎たらしいほど澄み渡った空を見上げ


届かないことを分かったうえで手を伸ばした









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これは一体どういう状況なのだろう。



さっきまで私はベンチで空を眺めていた







なのに目の前には見知らぬ男たち


ちゃっかり手まで握ってる









「あの、離してもらえません？」







わざと引き攣った笑みを見せ、相手に言う









「えー、どうしようかなぁ」



「それより俺らとイイトコ行かない？」



「君、可愛いからお金はとらないからさ」









意味陳腐な言葉を並べる金髪の男たち。


日本語が通じてるのか心配になってくる









「いや、どこにも行く気ないのでいい加減離してもらえます？

警察呼びますよ」








睨みを利かせるが効果なし。


挙げ句の果てには「可愛い顔が台無しだよ」なんて言ってくる







できれば波風を立てたくなかったのだが


この状況なら致しかたがない









足に全重心をかけ、蹴りだそうとした時









「おい、何やってんだお前ら」









後ろから低い声が聞こえた__



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