みにまむ ２６ ページ27
ピンポーン
私が上鳴君に看病されているところへ、誰かが私の家へ訪ねてきた。
「誰だろ…上鳴君、お粥作っててくれていいからね」
「ほーい！！俺女子力たけーから任せとけよ！」
上鳴君に多少の殺意を覚えながら、思い足取りで玄関へ向かった。
「はぁい……どちら様ですか…って、心操君！」
玄関の扉を開けると、そこには紫色の髪が見えた。それは紛れもない友人、心操君だ。
「お前…っ。何で毛布引きづって来てんだよ…！具合悪いのか？」
「実は熱が出てしまいましてね…さーせん」
「いや、なんで謝るのか意味わかんねぇけど、とりあえず家に入れろ」
「おっと強制的なパターンですねコレ」
心操君は私を押し退けて家の中に入った。なんて無茶苦茶なやつだ。
「あーA、誰だったんだー？ってお前は洗脳マン！」
「誰だよ」
「いや君だよ」
リビングに戻ると、上鳴君はもうお粥を作り終えていたところだった。
「お前は…ヒーロー科の放電するやつだな」
「お、おお…なんで知ってんだよ」
よく分からないが二人の間に火花が散っているのに気が付いた。
だから私は無視をしてスプーンを取り出しにいく。
え、いやいや、別に心配してないとかじゃないからね？面倒とか思ってない((
「そういや、どうして心操君は私の家に？普通科でなんかあった？」
「…別に、用事はないけど。」
「？？？」
ないなら何故来たのだろう。しかも病人の。
あ、そんなに風邪で学校休みたいほど思いつめてんのかな、心操君。
メンタルになんかあったな、これは。メンタル操作する本人がなってたら意味無いけどね。
「ほらA！冷めないうちに食べちゃえよ！病人は大人しくしてるのが一番なんだからな」
上鳴君は小さなからだで私の足をぐいぐいと押す。
「わ、分かってるから押さないで転ぶ」
「だからヒーロー科は駄目なんだよ」
「関係ねーだろ！！」
私たち三人はくすくすと笑っていた。
心操君が笑うところだなんて、久しぶりにみた。
それは、私がヒーロー科に編入していたからなのかな
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作者名：真裏 | 作成日時：2017年10月9日 8時
