みにまむ ２７ ページ28
「俺、タオル取ってくる！ちょっとぬるくなってるだろ？」
「ん、何から何まですいません上鳴さん」
「敬語…っ！？なんか違和感やべえ」
上鳴君が他の部屋に行ったことにより、リビングにいるのは私と心操君だけになった。
「……有栖さぁ」
「なんだね心操君」
「その個性なんとかならねーの」
心操君は私に洗脳をかけて、動けなくした。
この質問から逃れられないようにするためなんだろうけど。一体なんの意味が？
「ぁ……っと、個性にケチつけられましても」
「ほんと、面倒臭いことしちゃってさぁ……ヒーロー科に編入とか聞いてないっつーの」
「抜け駆け許して。別にヒーロー科に入るつもりなんて毛頭無かったんだけどさ」
彼は深い溜息を吐いて、またこちらをじっと見て言う
「…お前が普通科からいなくなって、教室が信じられない程静かなんだよ…」
心操君はイタズラがバレた子供みたいに目線を外して、バツが悪そうに告げた。
「…っ寂しいんだよ」
こんなこという心操君を、私は知らない。
確かに、よくよく考えてみれば彼の話し相手はほとんど私だったのも事実。
「し、心操君が照れた！！？やっば明日私死んじゃうかも！」
「おい」
「A！！待たせたな！」
ちょうど私が私の心臓刺しちゃいそうなタイミングで上鳴君が戻ってきた。
「ああああああ上鳴君助けて！ばくごー君より怖いこの人！とりあえず私から包丁取り上げて！」
「喋んなよ…」
「ぅっ……」
「これは…自業自得ってやつじゃないのかA！？」
「ほんとに殺してやろうかこいつっ……！」
口ではすっげー物騒なことを言っている心操君だったけれど、
上鳴君が助けてくれる直前までずっと顔真っ赤だったよ
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作者名：真裏 | 作成日時：2017年10月9日 8時
