【カゲプロ×黒バス】王と女王の能力を持つ双子【赤司征十郎】

幻想を抱く忘却の城 ページ16

過去にあったことを思い出してみても、私はいつもお兄ちゃんみたいにはちゃんと思い出せなかった。

それは私が記憶を頼りに生きることを拒んでいたのでは。そんな風にお兄ちゃんは言った。
わたしは本当に生きていたのかどうかすら不安がられる程、記憶が消失していた時もあった。

【1日で全て忘れてしまう】

母がいた時は覚えていないなんてことがなかったため、実際どういった理由でこうなっているのかすらわからないでいた。

でもお兄ちゃんは、それすら能力で解決しようとした。
私には何も出来る気がしなかったが、お兄ちゃんならできると信じていたため本当に成功した時には何も感じなかった、心自体が消えたようなことを口走っていたそうだ。それも覚えていない。


【代償】


お兄ちゃんは能力で私が記憶を辿っていけるようにした。
私はお兄ちゃんに能力を埋め込んだ。

私は能力が体内にあることにより、存在を保っていたため能力を他人に埋め込んだことによって弱体、瀕死のような感覚で過ごすことになった。
弱体しようが、なれてしまえば痛みすら当たり前になり”普通”を演じることなく”異常”を当たり前にしてしまう。

危険になれば、他人の心にある能力をすいとって生きた。
人間のこころの能力など吸い取っても害がないようだった。


私はいつしかそうやって生きてきた。

忘却の城で一人孤独なお姫様みたいに、人を利用続けた。
少し前までは…ね。



【変化】

一人の少年が私の忘却の意図を破壊した。

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