6人目。 ページ7
「それで______
大切な物とは…?
まぁ、聞かなくてもわかりますが。」
全てを悟ったかのような眼差しで私を見てくるジン_____
本当に悪かったと思っている…
私がそんな言い訳をする前に、ジンがメイドを招集し始めた。
_____メイドは、私の操り人形。
生きてるわけではないが、自我はあるから普通の人間と何ら変わらない。
「…とにかく、A様は館内でお待ち下さい。私は、その人間の家に向かってみます」
「わ、私も行く。
…アレが無くなったのは、私があそこに行ったからだし」
私が赤司の家に行った直後に無くなってしまった、中身が赤黒く染まったペットボトル。
アレが無ければ、私はマトモに生活することもままならない。
「…出来ません。
これ以上A様に無くし物をされると、私どもの体がもちませんから」
ジンは私に鋭い言葉を向け、館から出るなと念押してくる。
____吸血鬼は、人間より寿命が長い代わりに血液が自分では作れない。
その為に人間から血液を分けてもらい、それを体に回し、一時的に自分の物とする。
大昔はそれで賄っていたらしいが、今の時代…
つまり、人間が吸血鬼を信じない今には関係のないことだった。
「…わかった。
さっさと行って帰って来い」
ただ_____そんなジンの瞳は、私がもう一度人間に関わることを恐れているように見えた。
魔族には年月なんて、人間以上のスピードで過ぎて行くから。
ジンは、私の幼少期の頃のことを、私以上に鮮明に思い出せるのだ。
_______それから、メイドが数人残った館で
私は一人、ベッドに腰を下ろしていた。
今、館にジンがいない。
それだけのことで......否、それだけのことなのに、私の頭には不安が居座っていた。
「_____忘れちゃ、ダメだ。」
彼らだって、私が吸血鬼だなんて知ったらすぐに気持ち悪がって逃げるんだから。
____でも。
胸が苦しい。
彼らを嫌おうと、忘れようとしても_____どうしても忘れられない。
頭が考えるのをやめようとしてくれない。
いい人間達、なのか…?
____なんて。
今までに考えたこともない言葉が頭をよぎる。
散々迫害され、挙句の果てには殺されかけた。
......それでも私は______もう一度人間を信用しようとしているのか。
胸が、苦しい。
____誰か、誰でもいいから助けて。
私の気持ちを...教えてくれよ。
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黒ウサギ - ハーイ(*´▽`*)楽しみにしていますねっ☆ (2014年11月1日 22時) (レス) id: 630c907ecf (このIDを非表示/違反報告)
みなみな(プロフ) - 黒ウサギさん» ありがとうございます(´∀`*)是非是非、これからもよろしくお願いします(`・ω・´)キリッ (2014年11月1日 1時) (レス) id: 0af48c629f (このIDを非表示/違反報告)
黒ウサギ - お話いつも読ませて貰ってます(^○^)続きが気になって仕方がありません;^)更新楽しみにしています(≧∇≦*) (2014年11月1日 0時) (レス) id: 630c907ecf (このIDを非表示/違反報告)
みなみな(プロフ) - 心縷々さん» えーと…私は心縷々さんの作品を読んだことが無いのでアドバイスというより、自分が気をつけていることを言いますけど…一先ず、私は裏設定を大量に作っていたりしますね。物語の中では語られることの無い物語…そういうものが人を惹きつける魅力だと思うのです (2014年9月2日 17時) (レス) id: 0af48c629f (このIDを非表示/違反報告)
心縷々(プロフ) - あの、お願いがあります。私はホラーを書いているのですが、この小説は私の書けないなんか難しい展開が上手いと思いまして…。厚かましいのですが、アドバイスとかもらえませんか?お願いします!作者名はこのままなので…。 (2014年9月2日 16時) (レス) id: 2c93f684a4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みなみな | 作成日時:2014年8月31日 18時