4人目。 ページ5
_____まずい。
私の名を聞いてピンと来る人間がいないはずない。むしろ、そんな望みは捨てるべきだ。
一時期…幼少期の話だが、私は話題の的だった。
_____もちろん、悪い意味で。
「えっと…あの…」
「…俺から名乗るのが礼儀だな。俺は赤司征十郎。
君にバニラシェイクをかけたのが黒子テツヤ。
一番身長が高いのが紫原敦。
それから、眼鏡をかけているのが緑間真太郎だ」
そう淡々と名前を告げていく、赤司という不思議な感情の見え隠れした人間。
______こいつらと関わるのは危険…本能がそう訴えてきた気がした。
「え、ちょ…俺は!?」
「…紹介が必要か?」
青い髪の男が慌てて口を挟み始める。
それと同様に、隣で先程の金髪の人間も"酷いッス!"なんて言いながら表情を作っている。
___この私に作り物が通用する筈などないのに。
「お、俺は黄瀬涼太って言うんス!
良かったらメアドなんか貰っても…」
私の言葉など聞く耳持たないと言う感じで、黄瀬という男が食い気味に問いかけてくる。
______面倒な人間。…今の私の頭は、速くここから逃れてジンと共に血液ジュースでも飲み明かしたい気分になっていた。
「…黄瀬くん、彼女から離れて下さい。
それから、この青いガングロくんは青峰くんです。
…覚えなくてもいいですよ」
声の聞こえた方…つまり、私の足元を見ると、
黒子という人間が跪き、私のワンピースについたバニラシェイクを拭き取っていた。
私は思わず黒子の行動に目を見張った。
…明らかにこの行動は私にはイレギュラーすぎたのだ。
_____私はずっと......知らないふり、偽善を続ける人間達の中にいた。
彼は______何故私のような赤の他人…ましてや人外にここまで優しく出来るのか…?
私は、軽く疑いながら"拭かなくても大丈夫"と言葉をかけ、そっと血液ジュースを買い物袋に隠した。
「…それで、君の名前は?」
その声にハッと我に返ると、感情の見え隠れした瞳が私を捉えていた。
目の前にいる人間と、記憶の中にいる人間の違い、その差が私を混乱させていたのだ。
「わ、私は_______A。」
「よろしく、A。
…で、テツヤがAの服を汚したわけだが......俺の家へ行こうか?」
「え…」
_____その瞬間、ジンとの約束を思い出した私は、仕方なく赤司の家に上がることに。
正体がバレず、夜の内に帰れば問題ないのだから。
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黒ウサギ - ハーイ(*´▽`*)楽しみにしていますねっ☆ (2014年11月1日 22時) (レス) id: 630c907ecf (このIDを非表示/違反報告)
みなみな(プロフ) - 黒ウサギさん» ありがとうございます(´∀`*)是非是非、これからもよろしくお願いします(`・ω・´)キリッ (2014年11月1日 1時) (レス) id: 0af48c629f (このIDを非表示/違反報告)
黒ウサギ - お話いつも読ませて貰ってます(^○^)続きが気になって仕方がありません;^)更新楽しみにしています(≧∇≦*) (2014年11月1日 0時) (レス) id: 630c907ecf (このIDを非表示/違反報告)
みなみな(プロフ) - 心縷々さん» えーと…私は心縷々さんの作品を読んだことが無いのでアドバイスというより、自分が気をつけていることを言いますけど…一先ず、私は裏設定を大量に作っていたりしますね。物語の中では語られることの無い物語…そういうものが人を惹きつける魅力だと思うのです (2014年9月2日 17時) (レス) id: 0af48c629f (このIDを非表示/違反報告)
心縷々(プロフ) - あの、お願いがあります。私はホラーを書いているのですが、この小説は私の書けないなんか難しい展開が上手いと思いまして…。厚かましいのですが、アドバイスとかもらえませんか?お願いします!作者名はこのままなので…。 (2014年9月2日 16時) (レス) id: 2c93f684a4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みなみな | 作成日時:2014年8月31日 18時