どこまでも、深く深く

エピローグ ページ43

｢A起きと...るわけないか｣



無理を言って戴冠式を引き伸ばした人魚
まだきっかり500年ではないので少女は
眠ったままだ



｢ずーっと可愛い寝顔やったわ｣



手の甲で少女の頬を撫で柔らかい髪に触れる
そしてゆっくりと唇にキスをした



｢ん...ん!?｣

｢何や起きてもうたんか...おはよう｣

｢え、待ってここどこ？｣

｢俺の城｣

｢私死んだんじゃ...｣

｢生きとるで｣



500年前のことを少女に話すと少女は笑う
そしてこう言った



｢寂しかった？｣

｢当たり前やろ、戴冠式延長させるくらい｣

｢めちゃくちゃじゃん｣

｢Aに王冠載せてもらいたいんやもん｣

｢子供か｣



呆れる少女と笑う人魚
そんな二人のもとに召使いが来た



｢そろそろお時間が...｣

｢せやな、A｣

｢ん？｣

｢おいで、戴冠式の準備せな｣

｢そうだね｣



一旦別れた二人
それぞれ支度を済ませ、廊下で再会した



｢綺麗やんな、流石俺の...あー｣

｢いつも通りでいいよ｣

｢Aや｣

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