どこまでも、深く深く (ページ44)

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おまけ:戴冠式ページ44

人魚はその場で膝まづき、少女は頭に王冠を載せる
ゆっくりと視線を戻した人魚は少女の背中を押した

｢この子は元人間で俺を助けてくれた｣

｢｢おおぉぉ！｣｣

ありがとう、すごいと歓声が上がる
その場の空気を人魚は切った

｢そしてこの子を俺の妃にする｣

｢｢え...ええぇぇ!?｣｣

今日一番の驚きだ
流石の少女も驚きを隠せない
そこへ悪友三人組が止めに入る

｢兄ちゃん、流石まずいて！｣

｢そうだぜ、いくら王だからって...｣

｢ロドリゴずるい！←｣

｢えー...やって、もうこんな仲やもん｣

人魚は少女の腕を引くと口付けを交わす
悪友三人組は口を抑え、民衆からは歓声が上がる
中には悲鳴も聞こえたが...

｢うわー、お兄さん狙ってたのに｣

｢あっ...｣

｢ギルちゃん慣れてないなら見んとき｣

人魚は満足そうに笑うが
少女は顔を真っ赤にさせていた

｢ですが国王、今来ている婚約の件は...｣

｢全部破棄や、俺はAとがええ｣

｢バカ...そこまでしなくても...｣

｢それくらい大切なんや｣

よしよしと少女の頭を撫でる人魚
愛おしそうな目で少女を見つめる

｢じゃあ...守らせていただきます｣

｢それはこっちのセリフや｣

｢ロドリゴ弱いもん｣

｢寂しがり屋さんが何言うとるん...｣

そう人魚が呟くと顔を真っ赤にしながら
少女はこういった

｢ロドリゴ、愛してる｣

｢おん、俺も｣

[完]