警告、速やかにその輝かしいオーラを引っ込めよ、さもなくば私がキュン死にする【ハイキュー】

警告6 ページ7

『泣いてやる!!泣きわめいてやる!!そんでもってお手伝いなんてお役御免よ!!
だいたい私はねこんな苦労するつもりでバイト引き受けたわけじゃないの!!』




逃げ出した先の選択肢なんて少ないもので、別にどこか遠くに行くわけでもなく近くにあった水道場へと腰かけて膝を抱え込んでは不満を叫びちらしていた


たった数時間でしかなかった瞬間にも死にかける出来事なんて指折り数えても片手じゃ足りない


「…あ、あの。」

『翠姉さんも翠姉さんで酷いわ!!私が美しいものに弱いことを知っておきながら任せるんだもの!!
なーにがバレー部よ、そんなの名前だけであんなのホスト軍団じゃない!!いいえ、それじゃ生ぬるいもんよ、あんなの最早アイドルよアイドル!!』


私が一体なにしたっていうの!?世にも奇妙で美しすぎる顔が揃いも揃って殺しにかかってきて!!イケメンは見て愛でるものよ!!関わっちゃいけない人間なの!!一緒にいるだけで心臓爆発するわ!!




「あの!!香澄Aさんですよね!!」

『あ!?なにっ!!香澄A、TJKですがなにか!?』



怒りに身を任せて座っていたはずなのに立ち上がって何かを踏み付けるかのように地団駄を踏んでいればいきなりかけられた声に条件反射で振り返る、と、そこにいた人物に声も出ないほどに震え上がった私





「(TJK…？)私、烏野高校のマネージャーで、清水潔子って言います。
香澄さん、ドリンクの作り方知らないと思ったから一緒に作ろうかと…

……あの、香澄さん？」







あれ、なんでだろ、体動かないな

金縛り？

こんな超綺麗な人と向かい合うだけでも許してくれないのかな


てか、こんなにも女神なんて言葉が似合う人、居るんだ…




予想外のことが起こると人間って怒りを忘れて冷静になるんだね


…ん？ねえ待って、この人さっきマネージャーって言った？



『あ、ああああなたも、ばれー、部、なの？』

震える唇と枯れゆく声。
石のように固まる私を眼鏡越しにもその美しき瞳で見つめてくる彼女は不思議そうな顔をして


「そうですけど…」

それが何か？なんて言うように首を傾げた





あざとき仕草なのにぶりっ子さが感じられぬ素振り。完璧なる美少女…


ああ、お美しい。その仕草までもが愛らしいです

と、どこからかポタリとたれてくる存在に、なんだろうと鼻の下辺りを指先で触ってみれば付着していたのは先程もお見えになったはずの血液だった



それを見た瞬間私の身体中にピシリとヒビが入ったような気がした

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