四十四話 ページ44
(^q^)
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「100年前にこんな事件があったのか…」
そう言ったのは、妖怪特集という本を読んでいる六つ子の次男だ。
「何変顔してんの?って、これね。有名だよね。
"妖怪の嫁!?女性の遺体がある村で変死体として発見!!"って、新聞で出てたよ」
六つ子の幼馴染である女性。
次男の隣に座った。
「この事件怖いよね。
六人の妖怪が、一人の女性のために村人殺して、自さつも図ったとか書いてあるし」
お茶を運びながらそう言ったのは三男だ。
「ってか、それ誰が証言してんの?」
体育座りをして、ぼそぼそ喋る四男。
「それがね、その女の子の両親と、自称妖怪の召使いだった女性らしいよ。
結局、頭がおかしいとか言われてその事件迷宮入りしたらしいけど」
スマホをいじりながら答える六男。
賑やかな居間のなか、六人が妖怪について喋っていた。
「もしかしたらその妖怪と女性って僕たちかもねー!」
五男のセリフを聞いた瞬間、その場が凍り付いた感覚がした。
「ま、まさか…ねぇ?」
「確かに色々と当てはまっているが…」
「それってさ、俺たちがその妖怪と殺された女性の生まれ変わりだって言いたいわけ?」
四男が負のオーラを醸し出しながら五男に問う。
「そんな感じかなー!」
口をかっぴらいで言う五男に、末弟が反論する。
「でも、この本には"元妖怪は前世の記憶がある"って書いてあるよ?」
「なら違うじゃん」
末弟の言葉でその場は不安な空気から喜びの空気に変わった。
「「まさかね」」
夢で見たあの留美子とA、六人の妖怪の恐ろしい話は、
前世の記憶ではないだろうとその場の六人は思い聞かせた。
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「ふはっ、みんな、前世の記憶あるくせに。
否定しちゃって…。現実を受け止めないとなぁ」
五人のにぎやかな声が聞こえる襖の外。
赤いパーカーが窓から漏れる月明かりに照らされる。
「ちゃんと、約束は果たそうとしてるよ。A」
ニヤリと笑い、襖を開ける
「お帰りーおそ松」
「ただいまA」
いつものように笑って会話をする。
「もうすぐ、Aを俺のモノにするから。この100年間分の愛情を、お前に注いでやる」
こんなに長いつぶやきを、誰一人聞き取れなかった。
いや、聞こえないふりをした、の方が正しいだろう。
Aがおそ松に監きんされるのは、もう少しあとのお話_
〜〜+.+..〜〜END〜〜+.+..〜〜
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里(プロフ) - 続編気になるーみたいな (2018年7月16日 8時) (レス) id: 193caf1039 (このIDを非表示/違反報告)
サクラ - このお話の続きがほしいです(TT) (2018年4月24日 8時) (レス) id: 82bd22f655 (このIDを非表示/違反報告)
サクラ - 続編が欲しいです! (2017年12月8日 22時) (レス) id: 82bd22f655 (このIDを非表示/違反報告)
トランペット - とても面白かったです!このお話の続編を見てみたいです。無理かもしれませんがお願いします。頑張って下さい! (2017年9月24日 14時) (レス) id: c093bb2ad6 (このIDを非表示/違反報告)
聖火(プロフ) - おいらもがんばるんば (2017年6月11日 0時) (レス) id: b8079ba690 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:(^q^) x他1人 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/38a45e840c1/
作成日時:2017年4月24日 17時