二十八話 ページ28
ぴーちくぱーちく(^q^)です！
＿
すー…すー…、とみんなの寝息が左右から聞こえるこの来客用の部屋。
ここは社一番の広さで、七人で寝るのには丁度いいだろう、と言っておそ松が長い布団を敷いたのだ。
留美子は残念ながら、ただの召使いとして扱われているので、一緒に寝ることはできなかった。
先ほどの出来事もあって、みんな精神的に疲れてしまっているようですぐに寝てしまった。
だが、私は一人寝付けずにいた。
胸は裂かれ、首はあり得ない方向へ曲がり、声帯が潰れていた。
そんな惨い殺され方をした女の姿を思い出してしまい、吐き気が襲う。
あれをおそ松がやったと思うと、すこし身震いがする。
しかし、殺されたのはあの女の自業自得だと思う。
人(妖怪)の心を弄んでおいて許さない、とはちょっとばかり可笑しいものだ。
なら、私は悪くないのだろう。
「A…、、んぅ…」
ふと、トド松が私の名前を口にする。それは寝言だと分かっていても、返事をしてしまう。
バッと口を押さえ、周りを見て皆が起きていないか確認する。
『……っっ！？』
後ろから、誰かが抱き着いてくる。
確か後ろは…、
―十四松だ。
「A。まだ起きてるの？」
可愛らしい、甘える声で喋りかけてくる十四松。
周りに気を使っているようでいつも大声な十四松でも小声だ。
『中々寝れなくて…』
「僕は今起きちゃった」
えへへ、と控えめに笑って、これでもかと言うほど強く抱きしめてくる。
「あのね、今ね、みんなAに夢中なんだよ」
『…夢中…？』
「うん。みぃんな、Aが大好きなんだよ」
だからね…、と口籠る。
「みんな、Aに嫌われないか不安なんだよ」
今度はキュッと優しく抱きしめてくる。
「…Aは、僕らの本当の姿を見ても、嫌わない？離れていかない？」
まるで子供のように聞いてくる十四松。だんだん可哀そうになってきた。
『…大丈夫だよ、ちゃんと約束したもん』
「！…そっか、そうだよね。約束だからね…！」
その夜はいつの間にか寝てしまっていたみたいだ。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 172人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「アニメ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
里(プロフ) - 続編気になるーみたいな (2018年7月16日 8時) (
レス) id: 193caf1039 (このIDを非表示/違反報告)
サクラ - このお話の続きがほしいです(TT) (2018年4月24日 8時) (レス) id: 82bd22f655 (このIDを非表示/違反報告)
サクラ - 続編が欲しいです！ (2017年12月8日 22時) (レス) id: 82bd22f655 (このIDを非表示/違反報告)
トランペット - とても面白かったです！このお話の続編を見てみたいです。無理かもしれませんがお願いします。頑張って下さい！ (2017年9月24日 14時) (レス) id: c093bb2ad6 (このIDを非表示/違反報告)
聖火(プロフ) - おいらもがんばるんば (2017年6月11日 0時) (レス) id: b8079ba690 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：(^q^) x他1人 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/38a45e840c1/
作成日時：2017年4月24日 17時
