二十六話 ページ26
(^q^)です。
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一松の言葉に従い、自分の部屋でおとなしく布団に寝た。
着物から寝巻に着替えるのもできずに、
留美子に手伝ってもらったときにはもう申し訳ない気持ちでいっぱいだった。
気付いたらもう夜だった。
暗い部屋に一人。それはとても心細いもので。
隣の部屋からはおそ松たちの笑い声が聞こえてくる。
どうやら六人で飲んでいるみたいだ。
「今年はいい年になるなー」
「あぁ、本当だな」
「未だに信じられないよ。あんな可愛いAがお嫁さんだなんて」
「ヒヒッ…、いるだけで癒される」
「優しいしねー!」
「僕より可愛いっ」
それぞれが、私のことについて感想を述べている。
酔っているせいか、好き勝手に恥かしい単語をずらずら並べていく。
『…この部屋って意外と壁薄いのか』
ボソッと呟いた。
_その時。
「ぅ_あ”ぁ…!!ゆ”る”ざな…い”…!!!!」
おそ松たちがいる部屋の反対方向から聞こえる呻き声のような声。
それはハッキリと「許さない」と言っている。
まさか…、幽霊…!?
妖怪がいるのならば幽霊がいてもおかしくないはず。
…許さない、ということはなにか強い恨みでも持っているのか?
「あ”う”…う”あ”あ”あ”…!!」
だんだんと呻き声は私の恐怖心とともに大きくなっていく。
冷や汗がだらだらと垂れてきた。
…どうすれば良いのだろうか。
とりあえず、布団から出て相手の姿を確認することに。
『………っっ!?』
襖の向こうに、月明かりに照らされてシークレットがハッキリと見える。
恐らく着物を着た女だろう。
くびれがないことから軽い服を着ているということはないだろう。
推測をしている時。
とうとうスパンッと勢い良く襖が開けられてしまった。
「ゆ”るざな”い”ぃい”…!!!」
血だらけの女の姿がそこにあった。
胸を裂かれ、首があり得ない方向に曲がっていて、とても生きている人間には見えなかった。
開いた口が塞がらない、というのはこういうことを言うのだろうか。
スッと、女の胸から人魂のようなものが出た。
「…あなたが、あの狐野郎の嫁さんね…?」
『え…、はい』
女ではなく、女から出た人魂がしゃべっているようだ。
どうやら声帯が潰れて喋れないから人魂にしゃべってもらっているのだろう。
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里(プロフ) - 続編気になるーみたいな (2018年7月16日 8時) (レス) id: 193caf1039 (このIDを非表示/違反報告)
サクラ - このお話の続きがほしいです(TT) (2018年4月24日 8時) (レス) id: 82bd22f655 (このIDを非表示/違反報告)
サクラ - 続編が欲しいです! (2017年12月8日 22時) (レス) id: 82bd22f655 (このIDを非表示/違反報告)
トランペット - とても面白かったです!このお話の続編を見てみたいです。無理かもしれませんがお願いします。頑張って下さい! (2017年9月24日 14時) (レス) id: c093bb2ad6 (このIDを非表示/違反報告)
聖火(プロフ) - おいらもがんばるんば (2017年6月11日 0時) (レス) id: b8079ba690 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:(^q^) x他1人 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/38a45e840c1/
作成日時:2017年4月24日 17時