十六話 ページ16
僕、
__
「じゃあ、Aは俺と一緒に社の案内を…」
『待って下さいっ!』
カラ松様の手を振り払い、留美子と十四松様の間に駆け足で入る。
『留美子は…殺さないでください』
「あんた…っ」
「…はぁ?」
トド松様の冷たい声が、お社の中をもっと寒くする。
そうか、トド松様は雪女だから、トド松様の気分次第でその場の気温が変わるんだ。
「どうしてAはそんな子を庇うの?
家族でも友達でもない、ましてやAに嫌がらせしてた奴なんだよ?
庇う理由ないでしょ?」
『…そうだけど…、選ばれなかったからって殺す必要はないと思います』
怯える感情を表に出さないようにし、トド松様の目をまっすぐ見て言う。
せっかく生きることができたのに、こんな事したら殺されちゃうね。
「ふふふ…」
『…?』
「あははははっ!」
『トド松様…?』
「君って本当に可愛いし、純粋な心の持ち主だね…まさに嫁にぴったり!」
『え…?え?』
いきなり態度が変わってしどろもどろしてしまう。
だんだんとお社の中の温度が上がってきた。
「いやぁ、こんなにいい子だとは思わなかった!」
「ヒヒッ…、Aのおかげで命拾いしたね…」
「妖怪前にしてビビらずにこんなこと言えるなんて、そうとうの肝っ玉だねぇ」
上からチョロ松様、一松様、おそ松様だ。
…すこし照れくさい。
留美子が立ち上がり、私の目の前まで来て言った。
「なによアンタ…っ!余計なことしてっ」
「お前っ_」
「アンタのこと、嫌いになれなくなったじゃない…っ」
『…!』
次の瞬間、留美子のツインテールの髪の毛が私の顔の横に見えた。
あぁ、抱き着いてきたのか。
「なんだ、意外と可愛いとこあんじゃん」
周りの雰囲気もほんわかとしていた。
172人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「アニメ」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
里(プロフ) - 続編気になるーみたいな (2018年7月16日 8時) (レス) id: 193caf1039 (このIDを非表示/違反報告)
サクラ - このお話の続きがほしいです(TT) (2018年4月24日 8時) (レス) id: 82bd22f655 (このIDを非表示/違反報告)
サクラ - 続編が欲しいです! (2017年12月8日 22時) (レス) id: 82bd22f655 (このIDを非表示/違反報告)
トランペット - とても面白かったです!このお話の続編を見てみたいです。無理かもしれませんがお願いします。頑張って下さい! (2017年9月24日 14時) (レス) id: c093bb2ad6 (このIDを非表示/違反報告)
聖火(プロフ) - おいらもがんばるんば (2017年6月11日 0時) (レス) id: b8079ba690 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:(^q^) x他1人 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/38a45e840c1/
作成日時:2017年4月24日 17時