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アンフェアな恋を貴女と#2 ページ10

君は、本当は僕を見てなんかいない
僕の向こうに見ているのはアイツの姿


キスをしても髪を撫でても、こうして身体を重ねてさえどこかでアイツの面影を探している


「…くそっ」

僕は面白くなくて髪をかき上げて小さく呟く





他人の目には、どうやら僕とアイツは似て見えるらしい
昔、タオタローくんも奴を僕の親戚かなんかかと聞いてきたくらいだ

でも僕はアイツとは何の関係もないし、ましてやその代わりなんかじゃない


屈辱だ


なのにAちゃんは、今日もその瞳で僕じゃなくて
僕と似たアイツを見ている




「…ね、しよ」

『え…っ…もう…?』


僕はようやく息が整って、心地好い疲労感にグッタリとしているAちゃんの腕を掴んで起こすと、ベッドの上に四つん這いにさせた。



「……もっと高く突き出しなよ」

『…でも…』


「…いいから突き出して…いれるから」

『……っん!…ああ…っ!』

「……っ…ん…っ」



そして身も心も全て支配をして、Aちゃんの中からアイツを消すように懸命に打ち付ける



「僕の位置から君のアソコ、よく見えるよ」

『や…だっ』

「なんか…凄い溢れてる…」



ピチャピチャと音が聞こえるように
わざと激しく摩擦を繰り返せば君もそれに合わせて腰を動かす



「は…そんなに腰振って…やらしいコだよね…」

『…っん』


僕は意地悪く囁く


強烈な刺激と支配感
Aちゃんの喘ぐ声も滴る汗ですらも全てが官能的で。


『あ…ああ…っ!』


そして、一段としなった身体が君の絶頂が近い事を知らせる


『あ…っダ…メ…も…うっ!………っ……ほ…』

「……」





ほ お ず き…?





理性が飛んで、思わず君は本心を口走った。



背後からでも分かるくらいにAちゃんから気まずい雰囲気と緊張を感じる

いくら言葉を並べた所で、羞恥を煽った所で
やはり心は支配出来ないのか


胸を締め付けられて
苦し紛れに僕は囁く



「……………………"ほ"…んとにイッちゃいそう…?」


『う…ん…』

少しホッとしたような君の声が聞こえる。


もう一度言うけど



ーーーそんなに僕は鈍くない



でも、もうそれでもイイと思う位に君に溺れている僕は

いつの日か君の瞳から、奴の影を感じなくなるのを期待しながら



気付かない振りを続けるんだーーー



end

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作者名: | 作者ホームページ:http://id11.fm-p.jp/540/minvovmin/  
作成日時:2014年3月15日 19時

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