学校生活 ページ4
朝食が終われば自室にカバンを取りに行き、ついでに綱吉の様子を見る。すると案の定、まだのんきに寝ていた。まあ、わたしは起こすつもりはない。面倒だから。
『奈々さん、行ってきます。あ、綱吉はまだ寝てましたよ。』
「やっぱり？あ、いってらっしゃい、ユキちゃん。ツーくんはわたしが起こしておくわね。」
『お願いします。』
家から学校まではおよそ10分から15分程度。今は7時50分だから、多少寄り道をしたとしても、余裕で間に合う。朝練のある部活生はもっと早く、そうでない生徒はもう少し後で来る人がほとんどなので、今の時間は人が少ない。人が少ない晴れた日の朝は、清々しくて、気持ちがいい。今日サボるときは昼寝にしようか。まずサボることを前提に考えるのはおかしいという意見は聞かない。これがわたしの普通なのだ。
そんなことを考えながら校門をくぐり、昇降口に向かって歩いていた時、風を切るような音が聞こえた。
『おっと。危ないじゃないですか。雲雀さん。』
並盛中風紀委員長、雲雀恭弥だ。ちなみに年齢不詳。
「ちっ。水瀬詩乃。そのカーディガンは校則違反だよ。君はいつになったら真面目に制服を着るの？」
『えぇ？ いいじゃないですか、雲雀さん。どうせ冬にはちゃんと制服を着てますよ。長袖はわたしのアイデンティティーなんです。』
「はあ。一体何回目だろうね、君とこの会話をするのは。」
『何十回目、ですよ。もしかしたら、100回言ってるかもしれませんね。何せ入学以来ほぼ毎日、会うたびに似たような話をしてるんですから。』
「確かにね。もういいよ。君に聞く気がないことはよく知ってるから。」
『じゃあ、毎朝カーディガンの話をするのやめません？ わたし、いい加減に飽きましたよ。』
「考えておくよ。」
そういって雲雀さんは去っていった。入学式の翌日に目をつけられてから、会うたびに私と雲雀さんは先ほどのような話を繰り返していた。たいていは雲雀さんが呆れて終わるけれど。
まあなにも、都合よく朝だけ出くわすわけではない。わたしが授業をサボって屋上にいたときに見つかって咬み殺されそうになったこともあった。もちろん避けたけど。
ちなみに、話は変わるけどわたしは1年B組所属の27番である。部活動や委員会には入っていない。が、緑化委員会の仕事を押し付けられているため、空いた時間に花壇に水をやりに行かなくてはならない。緑化委員はいじめっ子の集まりでした。
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作者名：イベリス | 作成日時：2023年3月24日 19時
