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わたしは生まれつき、周りの人たちとはかけ離れた容姿をしていた。
プラチナブロンドの髪に澄んだすみれ色のガラス玉のような瞳。
色眼鏡で見なくとも、整った愛らしい顔をしていると思う。
だが、父も母もプラチナブロンドの髪も、すみれ色の瞳も、整った容姿ももっていなかった。
わたしの曾祖母がプラチナブロンドをもち、曽祖父がすみれ色の瞳をもっていたそうなので、おそらく隔離性遺伝だと思う。
しかし、これが問題だった。
当然だが、小学校の同級生にも近所の年上にも、金髪(つまりプラチナブロンド)の人はいなかった。
子供は、単純だ。
自分たちと見た目が違うから、違う色を持っているから。
そんな理由で、他者を排斥する。
バケツで水をかけられた。
わざとぶつかられた。
大人がいないときに殴られた。
大人がいないときに蹴られた。
グループを組む時、仲間外れにされた。
宇宙人だと、人間じゃないと言われた。
全部理由は、‵見た目が違うから′
最初のころは、抵抗した。
なんで、どうして、と何度も言った。
先生にも、両親にも、あの子に殴られた、あの子に蹴られた、あの子に水をかけられた、と何度も言った。
だから、助けてほしいと、何度も言った。
けれど、一度もまともに取り合ってもらえなかった。
みんな、外面は良かったから。
一年も経つ頃には、諦めていた。
わたしの助けても、痛いも、怖いも、全部全部、嘘だと言われ、無かったことにされた。
なら、わたしが我慢してしまえばいい。
無かったことにされるなら、最初から救いの手なんて求めなければいい。
そうすれば、すべて解決する。
二年生から、小学校卒業までの五年間、ずっとそうしてきた。
これからも、ずっとそうしていくつもりだ。
五年生の時、両親が死んで引き取られた親戚の家にも、このことは言ってない。
きっと、気づいてもいないだろう。
一瞬、この人たちなら助けてくれるんじゃないかと、思った。
でも、言わなかった。
この心優しい人たちは、聞いたら心を痛めるだろう。
家族団欒に割り込んでしまったわたしが、これ以上迷惑をかけてはいけない。
だからこれからも、笑顔を浮かべて周りを欺く。
ぷろろーぐ ページ1
プラチナブロンドの髪に澄んだすみれ色のガラス玉のような瞳。
色眼鏡で見なくとも、整った愛らしい顔をしていると思う。
だが、父も母もプラチナブロンドの髪も、すみれ色の瞳も、整った容姿ももっていなかった。
わたしの曾祖母がプラチナブロンドをもち、曽祖父がすみれ色の瞳をもっていたそうなので、おそらく隔離性遺伝だと思う。
しかし、これが問題だった。
当然だが、小学校の同級生にも近所の年上にも、金髪(つまりプラチナブロンド)の人はいなかった。
子供は、単純だ。
自分たちと見た目が違うから、違う色を持っているから。
そんな理由で、他者を排斥する。
バケツで水をかけられた。
わざとぶつかられた。
大人がいないときに殴られた。
大人がいないときに蹴られた。
グループを組む時、仲間外れにされた。
宇宙人だと、人間じゃないと言われた。
全部理由は、‵見た目が違うから′
最初のころは、抵抗した。
なんで、どうして、と何度も言った。
先生にも、両親にも、あの子に殴られた、あの子に蹴られた、あの子に水をかけられた、と何度も言った。
だから、助けてほしいと、何度も言った。
けれど、一度もまともに取り合ってもらえなかった。
みんな、外面は良かったから。
一年も経つ頃には、諦めていた。
わたしの助けても、痛いも、怖いも、全部全部、嘘だと言われ、無かったことにされた。
なら、わたしが我慢してしまえばいい。
無かったことにされるなら、最初から救いの手なんて求めなければいい。
そうすれば、すべて解決する。
二年生から、小学校卒業までの五年間、ずっとそうしてきた。
これからも、ずっとそうしていくつもりだ。
五年生の時、両親が死んで引き取られた親戚の家にも、このことは言ってない。
きっと、気づいてもいないだろう。
一瞬、この人たちなら助けてくれるんじゃないかと、思った。
でも、言わなかった。
この心優しい人たちは、聞いたら心を痛めるだろう。
家族団欒に割り込んでしまったわたしが、これ以上迷惑をかけてはいけない。
だからこれからも、笑顔を浮かべて周りを欺く。
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作者名：イベリス | 作成日時：2023年3月24日 19時
