決戦 ページ16
次の日の夜、訓練が終わったあと私達は予定通り、小数精鋭で地下街へと向かった。
「…っ、」
地下街に入るための階段を下りていく度、空気が薄暗く濁っていく。久しぶりのこの感覚に、喉がつっかえるような感覚を覚えた。
どこまでも澱んで、救いも希望もないみたいな、
そんな地下街の空気が私を包み込む。
どこかから硝子が割れる音や、怒声、悲鳴までも聞こえてくるのは、昔から変わっていない。
リヴァイ「…いい意味でも悪い意味でも、変わってねぇな」
私はその言葉に、同意の意味を込めて頷いた。
本当に変わっていないのだ。ただ、私にとってそれは嬉しいことでも何でもないが。
リヴァイ「大丈夫か」
「…私なら大丈夫です、気にしないでください」
もうすでに作戦は始まっているのだ。私とリヴァイさん、ハンジさんとミケさんに分かれて地下街を降りている。エルヴィンさんはもうすでに地下街の中心部にいるはずだ。
少し冷たい言葉だっただろうかと後悔するが、強い言葉で自分自身を守り固めていないと壊れてしまいそうだったのだ。
息が詰まる思いをしながら、私達はエルヴィンさんのいる中心部まで到着した。
エルヴィンさんがいるのは、中心部にある公園＿＿噴水が綺麗なその公園は、私が初めて”地下街の悪魔”になった場所だった。
エルヴィン「…出来るか？」
エルヴィンさんの問いかけと、どことなく不安そうなリヴァイさんの視線に応えるように私は頷く。
ここで私は一人行動に移る。
ハンジさんとミケさんはもうすでに拠点を周りから囲んでいる。エルヴィンさんとリヴァイさんも、バレないようにここから私を尾行して守ってくれる。
＿＿＿だから何があっても、大丈夫。
大丈夫、なはずなのに。
どこまでも止まらない震えを隠すように、身を翻して拠点に向かって歩こうとした時、リヴァイさんが私の腕を柔く掴んで引き留めた。
リヴァイ「…お前はあの時とは違う。何があっても必ず俺が守ってやるから、…信じろ」
「…！」
リヴァイさんが触れたところが熱い。
真っ直ぐな瞳にはどこにも嘘も躊躇いもなくて。
私は場違いに、目の前の上司に微笑んで言った。
「…信じてますよ、最初から」
いつの間にか震えは止まり、視界も広くなった。
私は身を引き締め直し、前を向く。
ここから数分歩いたら、奴らの拠点だ。
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むささび(プロフ) - 一気に読み進めてしまいました。とても面白かったです。番外編ではなく、是非続編として本編のストーリーで夢主ちゃんが活躍＆キャラと絡むのか拝見したいです！一先ずはお疲れ様でした！また拝見出来る日を楽しみにしております。 (6月26日 17時) (
レス) @page35 id: 2279a97b0b (このIDを非表示/違反報告)
みみみみみ(プロフ) - フォールさん» ありがとうございます！完結まで見届けてくださり嬉しいです🙇♀️これからもがんばります、、！！ (2023年3月16日 16時) (レス) id: d7f9a920c5 (このIDを非表示/違反報告)
みみみみみ(プロフ) - ゆるさん» コメントありがとうございます！とても光栄です🙇♀️これからも頑張ります！😭 (2023年3月16日 16時) (レス) id: d7f9a920c5 (このIDを非表示/違反報告)
みみみみみ(プロフ) - らなさん» ありがとうございます…！とても嬉しいです😭これからも頑張ります💪 (2023年3月16日 16時) (レス) id: d7f9a920c5 (このIDを非表示/違反報告)
フォール(プロフ) - 完結おめでとうございます！！！素晴らしい作品だったので無事完結したことを嬉しく思います！！すっっごい面白く、素敵な作品で、あっという間に最後まで読んでしまいました！これからも頑張ってください！！！ (2023年3月15日 23時) (レス) @page35 id: eb505c02be (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みみみみみ | 作成日時：2022年10月22日 22時
