◆ ページ17
ゆっくりと顔をあげると、そこには懐かしい建物が目の前にあった。
怖くないといえば、嘘になる。
本当は怖いし、逃げ出したいし、やりたくない。
それでもやらなくてはならない。
大丈夫。私はひとりなんかじゃない。
深呼吸をした後に、私は扉をノックした。
「____私です」
中に向かって声をかける。まずは奴らが本当にここにいるのかどうかが肝だ。
少しした後、慎重に扉が開かれた。
やはり私の読みは当たっていたか。
『ご苦労だな。入れ』
言われるとは思っていたが、やはり一瞬躊躇ってしまう。だがまずはこいつらの話を聞いて、なぜ壁外に自ら出ようとしているのか。それを突き止めなくてはならない。
こいつらは中央憲兵の側にずっといた奴らで、私達なんかよりもこの世界の成り立ちよく知っている。
壁外に出ようとする理由の中に、私達が知らないような巨人の謎も、関係しているかもしれない。
私は意を決めて、頷いて中に入った。
・
(リヴァイside)
リヴァイ「…何か妙だとは思わねぇか」
Aが拠点の中に入っていったのを確認した後、エルヴィンに対して疑問を吐き出した。
リヴァイ「何故こんなにも上手く行くのか_中央の奴らは何をやってる」
奴らがAの元に接触してきてから丸1日が経っている。ということは、奴らが脱走してからはそれ以上の時間が経過しているということだ。
中央の奴らは仕事が速い。特に”こういうことに関しては”。それなのに未だ奴らを捕まえるでも、俺たちの前に姿を表すでもないとは。
エルヴィン「…リヴァイ」
エルヴィンの声色の変化が何によるものなのか。
構えられる銃の音で、嫌でも分からされてしまった。
・
(Aside)
「平和な世界がある…?」
私は奴らに向かってそのまま問いかけた。
『…そうだ。俺たちの知らない平和な世界が、そこにはある。そこまで俺たちを連れていってほしいと思っていた』
奴ら曰く中央の人達から、壁のずっと向こうの先には知らない平和な世界が広がっていて、そこまで行きたい…ということらしい。
ついにおかしくなったのか、あるいは本当なのか…
ただ、目の前にいる男たちの目は明らかに正常な色合いではない。妄言を吐いている可能性の方がよっぽど高いだろう。
「…それで、中央の人達はまだ追ってきてないんですよね?」
それを聞いたとき、目の前の…リーダー格の男がぴくりと目を剥いた。
「え…」
『思って”いた”んだ。もう俺達は終わりだ、何もかも』
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むささび(プロフ) - 一気に読み進めてしまいました。とても面白かったです。番外編ではなく、是非続編として本編のストーリーで夢主ちゃんが活躍&キャラと絡むのか拝見したいです!一先ずはお疲れ様でした!また拝見出来る日を楽しみにしております。 (6月26日 17時) (レス) @page35 id: 2279a97b0b (このIDを非表示/違反報告)
みみみみみ(プロフ) - フォールさん» ありがとうございます!完結まで見届けてくださり嬉しいです🙇♀️これからもがんばります、、!! (2023年3月16日 16時) (レス) id: d7f9a920c5 (このIDを非表示/違反報告)
みみみみみ(プロフ) - ゆるさん» コメントありがとうございます!とても光栄です🙇♀️これからも頑張ります!😭 (2023年3月16日 16時) (レス) id: d7f9a920c5 (このIDを非表示/違反報告)
みみみみみ(プロフ) - らなさん» ありがとうございます…!とても嬉しいです😭これからも頑張ります💪 (2023年3月16日 16時) (レス) id: d7f9a920c5 (このIDを非表示/違反報告)
フォール(プロフ) - 完結おめでとうございます!!!素晴らしい作品だったので無事完結したことを嬉しく思います!!すっっごい面白く、素敵な作品で、あっという間に最後まで読んでしまいました!これからも頑張ってください!!! (2023年3月15日 23時) (レス) @page35 id: eb505c02be (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みみみみみ | 作成日時:2022年10月22日 22時