幸せ3つ。 ページ3
「ご挨拶遅れまして失礼しました。私は幸せ天使のAと言います!!」
そう言ってAは丁寧に頭を下げた。上げたその表情は何故かドヤ顔。
天使か、そうか。
確かにそう見えなくもないな。
「そう、で?」
「え?……それだけですか!? 少し反応薄すぎやしませんか?にんげんさんの一生でこんなこと滅多にありませんよ!?」
それはそうだろうな。
俺に向かって身を乗り出し「もっとびっくりしましょうよ!!」と抗議された。
「いや、普通に驚いたけど。もうその過程を終えただけで」
数分前にこの現象を俺の知識量で推測するのは不可能だと結論を出してある。放棄した。
わかりっこないことを延々考えるとかめんどくさいだけだ。
「なんとっ、そうでしたか……でも、もっとこう、『嘘!?』とか『夢!?』とかあってもいいと思うんですよぉ……ガブリエル様のお話と違う……」
Aが目に見えてしょんぼりと羽を畳む。
「そう落ち込むなって。それで、星は帰って行ったけど、お前は帰らないの?」
なんだか不憫に思えて、軽く指先で頭を撫でてやりながら、話を進める。
「そうでした!私、レベルを上げに人間界に修行に来たのです」
どんよりとしたオーラを背負っていたのが一転、ハッとして、それから何かを決意したように真っ直ぐ俺を見上げる。
「こうして、あなたの元に落ちてきたのも何かのご縁。私のお手伝いをしてくれませんか?」
「………めんどくさい」
「っな!……そう言わずに!!私は幸せ天使、あなたのパッピーが私の力になります!」
そう全力で、めんどくさくないよアピールをする天使。こいつに諦める気はサラサラ無さそうだ。この勢い相手に退くのもまた面倒、適当に相手をすればいいか。
「……わかった、協力してあげるよ。で、俺は何をすればいいの」
「わぁぁぁっ、ありがとうございますっ!!」
渋々頷けば、天使は瞬時に満面の笑みを咲かせた。単純というか、馬鹿っぽいというか。
「ではさっそく、貴方が幸せになれるお願い事を聞かせてください!!あ、その結果誰かを傷付けることはダメです。その悲しいエネルギーは私にもマイナスに働いてしまいますから」
なるほどな。その辺ちゃんと制約はあると。
「じゃあ、塩キャラメルを一生食べていたい」
パッと浮かんだものにしては、とてもいいと思う。これでもうキャラメルを切らすことはない。誰か悲しむ訳でもない、完璧だ。
しかし、人生そう上手くはいかないらしい。
「しおきゃぁめう……?」
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ひよこまめ(プロフ) - 穂澄さん» ありがとうございます!頑張りますね。 (2017年8月5日 1時) (レス) id: 845d9be9cf (このIDを非表示/違反報告)
穂澄(プロフ) - ひよこまめさん» いえいえ、更新がんばって下さい。 (2017年8月4日 23時) (レス) id: b42ff97bd4 (このIDを非表示/違反報告)
ひよこまめ(プロフ) - 穂澄さん» コメント、ご指摘ありがとうございます。下書き保存していたつもりが公開されてるとは……失礼しました。 (2017年8月4日 23時) (レス) id: 845d9be9cf (このIDを非表示/違反報告)
穂澄(プロフ) - オリジナルフラグつけたままですよ! (2017年8月4日 22時) (レス) id: b42ff97bd4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ひよこまめ | 作成日時:2017年8月4日 22時