第11話 ページ12
なにか言われるかと思ったら、まさかの下校のお誘いだった。
「いいよ。帰ろう」
そう返すと、えおえおくんはあの笑顔でふわり、と笑った。
機嫌が悪く見えたのは気のせいだったのかもしれない。
彼が怒るところなんて見たことないし、想像もつかない。
隣に並んで昇降口へと歩き出した。
「さっきの人、知り合い?」
「知り合いっていうか、ミクの部長さんだよ。私はたまに会ったら挨拶とかするくらいだけどね」
「・・・そっか」
やっぱりどこかおかしい気がする。
なにか嫌なことでもあったのかな。
「えおえおくん、このあと時間ある?」
「えっ」
ぱっと顔を上げてこちらを見つめてきた。
目が丸く見開かれている。
「ちょっとどっか寄り道しようよ」
「いいけど・・・いいの?」
「なにが?」
「男子とふたりでどこか行くとかって」
「すでに一緒に帰ったりしてるじゃん!それに私が行きたいとこあるから。だめ?」
「・・・だめくないです」
「よーし行こう!!」
昨日カフェの新作が出たばかりで、いつか飲みに行きたいと思っていた。
えおえおくんもそのカフェに行くのが好きと言っていたのでちょうどいい。
これで少しでも気分が晴れてくれるといいな。
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作者名:mimico | 作成日時:2017年12月27日 3時