村人の秘密�� ページ26
「いやー!
終わった終わったーっ!!」
「あいさー!!」
一件落着と言う様に、
ナツとハッピーは満面の笑みでそう言った。
「本当…一時はどうなるかと思ったよ。
凄いよね、ウルさんって」
『だってウルは、
私達の最高の師匠なんだもん!』
Aは既に泣き止んでおり、
いつもの笑顔でルーシィにそう言った。
「これでオレ達もS級クエスト達成だーっ!!」
「やったー!!」
「もしかしてあたし達、
"2階"へ行けるのかなっ!!」
「はは…」
『それは無理かな。
ナツ達…私の隣にいる存在を忘れてない?』
そう言われたナツ達は、
ギギギッ、とロボットの様な動作で
Aの隣にいる人物を見た。
そこには、
怒りの表情で睨むエルザの姿があった。
「そうだ!お仕置きが待ってたんだ!!」
『エルザ、ごめんね。
私もナツ達を止められなかった…
帰ったら私もお仕置きして』
「いや、Aの事だ。
ナツ達にいろいろ言って、
止めようとしていたんだろう?
安心しろ。
Aだけは何があっても、
私がマスターに全力で弁解しよう」
「ズリィ!Aだけ!!」
「…」
「ご、ごめんなさい…」
エルザは有無を言わせないという様に、
静かにナツを睨み付けていた。
『村の状況を見てないから確信はないんだけど、
まだ村の人達の事は…解決してないよね?』
「やはりAは気付いていたか…
お前達、その前にやる事があるだろう。
悪魔にされた村人を救う事が、
今回の仕事の本当の目的ではないのか」
「「「「え!!?」」」」
『S級クエストはまだ終わってないよ』
エルザとAの言葉にナツ達は驚愕していた。
「だ、だってデリオラは死んじゃったし…
村の呪いだってこれで…」
『モカさんが言ってた
"呪い"っていう現象は、
デリオラの影響じゃないよ』
「月の雫(ﾑｰﾝﾄﾞﾘｯﾌﾟ)の膨大な魔力が、
人々に害を及ぼしたのだ。
デリオラが"崩壊"したからといって、
事態が改善する訳がないだろう」
「そんなぁ〜」
ルーシィは残念そうにしていたが、
ナツは明るく笑っていた。
「んじゃ、とっとと治してやっかー!!」
「あいさー!!」
「どうやってだよ」
『リオン、何か知ってる?』
「オレは知らんぞ」
今までの会話を全て聞いていたリオンは、
Aの問いにそう答えた。
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作者名：ゆき | 作成日時：2023年3月24日 11時
