妖精の尻尾の姫_4章【FAIRYTAIL】 (ページ23)

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BURST② ページ23

「オレは…今…
　アンタを…越え…る…」

ふらつきながらもリオンは立ち上がったが、
グレイに頸を叩かれた事によって
リオンは地面に倒れ込んだ。

「もう良いよ、リオン。
　あとはオレに任せろ」

『グレイ…?』

「デリオラはオレが封じる!!!!」

グレイは水の中に入ると、
自身の身体の前で両腕を交差させた。

『絶対氷結(ｱｲｽﾄﾞｼｪﾙ)!!?』

「よ…よせ!グレイ!!
　あの氷を溶かすのに、
　どれだけの時間がかかったと思ってるんだ!!
　同じ事の繰り返しだぞ!!
　いずれ氷は溶け…再びこのオレが挑む!!」

「これしかねぇんだ。
　今…奴を止められるのはこれしかねぇ」

『グレイ…駄目…』

Aはそう言うと、
震える足でグレイに近付いた。

そんなAを見たグレイは、
穏やかな表情をしていた。

「オレのせいで、
　Aは大きな心の傷を負った…」

『違う…
　グレイのせいなんかじゃない!!
　さっきも言ったでしょ!!?』

「もっと2人で冒険したかったが…
　Aの笑顔を守るためだ。分かって欲しい」

『私の笑顔を守るため…?
　グレイが起こそうとしている行動で、
　私がもっと傷付く事になるって、
　何で分からないの!!?』

「今のお前には、
　妖精の尻尾(ﾌｪｱﾘｰﾃｲﾙ)の仲間がいる。
　支えてくれる仲間がいれば、
　時間はかかるが…いつか傷は癒える」

『バカな事言わないで!!』

Aはグレイを止めるために、
グレイの背中に抱きついた。

グレイから放たれる
凄まじい魔力に圧迫されながらも、
Aはその中で乱れる息を整えた。

「A、下がっ――
『それじゃあ、あの時と一緒だよ!!』」

グレイの言葉を遮る様にAは叫んだ。

『何も変わらないよ!!
　ウルがいなくなって…
　グレイもいなくなったら…私…』

そう言ったAの目から涙が溢れた。

『グレイも…私を置いて行かないで…
　もう大切な人を…目の前で失いたくないの…』

「A…」

すると、
絶対氷結(ｱｲｽﾄﾞｼｪﾙ)の構えを取った
グレイの前にナツが立った。

「オレはアイツと戦う」

「どけっ!邪魔だ!!」

グレイがそう言うと、
ナツはグレイの方に振り返った。