妖精の尻尾の姫_4章【FAIRYTAIL】 (ページ20)

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ガルナ島最終決戦② ページ20

「今思えば…
　あの時じーさんが
　言おうとしてた事が、
　月の雫(ﾑｰﾝﾄﾞﾘｯﾌﾟ)の事だったんだろうな。

　まさか、
　そんなウルを殺す様な事を
　兄弟子がやってたと思うと…ガッカリだよ」

「何とでも言うが良い…
　オレはこの日のために生きてきた。

　師が死んだ今、
　残された弟子は
　何を持って師を超えられるか
　よーく考えてみろ!!

　デリオラだ!!
　師が唯一倒せなかった
　デリオラを葬る事で、
　オレは師を超える!!!!」

リオンはそう叫ぶと、
右手に氷の狼の様な生物を造り出した。

「その向上心は立派なものだが、
　お前は途中で道を間違えてる事に
　気が付いてねぇ。

　何も見えてねぇ奴がウルに勝つだと?
　100年早ェよ!!出直して来い!!!!」

グレイはそう叫んで
氷の剣でリオンを斬ったが、
リオンはパリンッ、と音を立てて崩れた。

グレイが斬ったのは、
氷で造られた身代わりだった。

「アイスメイク…」

『グレイ!後ろ!!』

本物のリオンはグレイの後ろに回ると、
右手に魔力を込めていた。

「白虎(ｽﾉｰﾀｲｶﾞｰ)!!」

リオンが造った氷の虎が、
グレイに目掛けて向かった。

「アイスメイク…牢獄(ﾌﾟﾘｽﾞﾝ)!!」

それを見たグレイは
すぐに氷の檻を造って、
自身へ向かってくる虎を檻に閉じ込めた。

「これはお前の姿か、リオン。
　世界を知らない哀れな猛獣だ」

「くだらん!
　貴様の造形魔法などぶっ壊…」

リオンはそう言って右手を動かしたが、
虎が檻を突き破る事はなかった。

虎は檻から出ようとはするが、
檻を完全に壊す事が出来なかった。

『(壊れない…!!)』

「片手での造形はバランスが悪い。
　だから、肝心な時に力が出せねぇ」

自身が造り出した檻の上から
グレイは飛び降りると、
両手に魔力を集中させた。

「氷雪砲(ｱｲｽｷｬﾉﾝ)!!」

グレイの大声とともに大砲から爆発音がした。

その攻撃によって
遺跡の一部が崩壊し、
ガラガラ、と音を立てた。

「ぐあぁぁぁっ!!」

グレイが繰り出した魔法がリオンに直撃すると、
リオンはその場に倒れ込んだ。

「ウルの教えだろ」

だいぶ身体が休まったAは、
もたつきながらもグレイの元へ駆け寄った。