妖精の尻尾の姫_1章【FAIRYTAIL】 (ページ8)

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妖精の尻尾のマスター③ ページ8

「そして…ナツ」

「う゛っ…」

ナツの名前を呼んだマカロフは、
ガクッ、と項垂れた。

ナツも心当たりがあるらしく、
名前を呼ばれた辺りから
冷や汗を流していた。

「デボン盗賊団一家壊滅するも民家7件壊滅…
　チューリィ村の歴史ある時計台倒壊…
　フリージアの教会全焼…
　ルピナス城の一部損壊…
　ハルジオンの港半壊…」

『ナツ、また派手にやっちゃったね…』

「アルザック、ビスカ、
　レビィ、ジェット、ドロイ、
　リーダス、ウォーレン…」

その後も次々と、
ギルドのメンバー達の名前が呼ばれていき
各々冷や汗を流しながら目線を逸らしていた。

ナツ同様に何かしら心当たりがあるらしい。

「貴様等ァ…
　ワシは評議員に
　怒られてばかりじゃぞぉ…」

マカロフは
プルプルと震えながら言うが、
非があるギルドのメンバー達は
それを黙って聞く事しか出来なかった。

Aの隣にいたルーシィは、
次に来る言葉をいろいろと予想して
顔を真っ青にしていた。

「だが…評議員などクソくらえじゃ」

マカロフが文書を燃やして放り捨てると、
ナツがそれに喰らいついた。

「よいか…
　理を超える力はすべて理の中より生まれる。
　魔法は奇跡の力なんかではない。

　我々の内にある"気"の流れと
　自然界に流れる"気"の波長が合わさり、
　初めて具現化されるのじゃ。

　それは、精神力と集中力を使う。
　いや、己が魂全てを
　注ぎ込む事が魔法なのじゃ。

　上から覗いてる目ン玉
　気にしてたら魔道は進めん。
　評議員のバカどもを怖れるな」

マカロフは笑いながら、
高らかに言い放った。

「自分の道を進めェい!!
　それが、妖精の尻尾(ﾌｪｱﾘｰﾃｲﾙ)の
　魔導士じゃ!!!」

≪おぉーっ!!≫

マカロフが言い終わると同時に、
ギルドのメンバー達は嬉しそうな表情をして
歓声を上げていた。

Aがルーシィの様子を伺うと、
ルーシィはキラキラとした眼差しで
それを見て笑っていた。