鎧の魔導士の帰還�� ページ40
「そうか…
親友なら時には
ケンカもするだろう…
しかし、
私はそうやって仲良くしてる所を
見るのが好きだぞ」
「あ、いや…
いつも言ってっけど…
親友って訳じゃ…」
「あい」
「あんなナツ…初めて見たわ!!」
困惑しているルーシィを見兼ねたのか、
ミラは過去に起こった出来事を説明し始めた。
「ナツは昔ケンカを挑んで
ボコボコにされちゃったの」
「あのナツが!!?」
「グレイは裸で歩いてるところを
見つかってボコボコに…」
「ロキはAを口説いてるところを
見られて半殺し…」
ミラがルーシィに説明している頃、
Aとエルザの目が合った。
Aはエルザに笑いかけながら、
受け身の体制を取った。
「A!!」
ゴンッ――
エルザは素早い動きでAの元へ来ると、
Aを力一杯抱き締めた。
エルザが着ている鎧が
Aの身体に当たった事で、
鈍い音がギルドに響いた。
「A、久しぶりだな!会いたかったぞ!!」
『い、痛い…
けど、エルザが元気そうで良かった!』
「誰かに虐められてないか!?
またロキに口説かれてないか!!?」
ギュゥゥウウウ――
エルザが更に力を入れた事で、
Aは抱き潰されていた。
『し、絞まってる…』
「ア、アレは…?」
「エルザはAの事を溺愛してるんだよ!」
「エルザもAの事が大好きなのよ」
「(アレは溺愛とか大好きとかいう
レベルじゃないと思うけど…)」
エルザのAへの溺愛ぶりが
半端じゃない事が分かったルーシィは、
苦笑しか出来なかった。
「エ、エルザ…」
「ん?どうしたグレイ」
グレイがその様子を見兼ねて、
エルザに声をかけた。
「Aが抱き潰されて死ぬぞ…」
「なに!?Aどうした!!?
顔色が悪いぞ!!誰にやられた!!?」
≪(お前だよ!!)≫
エルザが慌てる姿を見て、
ギルドのメンバー達が
心の中で思っている事が一致した。
エルザから解放されたAは、
エルザに問いかけた。
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作者名：ゆき | 作成日時：2023年3月11日 19時
