鎧の魔導士の帰還�� ページ38
「それじゃあ、
デートしないかい?
僕の可愛いお姫様」
「テメェ、
なに堂々とAを口説いてんだよ!!」
「Aに触んな!!」
「嫉妬かい?」
『2人とも落ち着いて!
ロキは私達の仲間でしょ?』
「「今はそういう話じゃねぇ!!」」
Aが2人を宥めようするも
逆効果となってしまい、
ナツとグレイは余計に苛立っていた。
『2人を怒らせちゃった?』
「Aは気にしなくて良いんだよ。
それより今日予定無ければ、
この後――「「行かねぇ!!」」」
ロキの言葉を遮る様にナツとグレイが答えた。
「ナツとグレイじゃなくて、
Aに聞いてるんだけどな」
「Aと2人で行かせる訳ねぇだろ」
「抜け駆けすんな!!」
「男の嫉妬は見苦しいよ?」
今にでも殴りかかってきそうな
ナツとグレイを見たロキは、
やれやれとした表情をしていた。
ロキはAの頬を撫でて満足したのか、
今度はルーシィの元へ向かった。
「ロキに好き勝手されてるんじゃねぇよ。
もう少し警戒心を持て!!」
「そうだぞ!
ロキは危ねェだからな!!」
『危ない…?
さっきも言ったけど、
ロキは私達の仲間だよ。
それに、
もしも私に何かあった時は
2人は私を守ってくれる…でしょ?』
「「おう…」」
「あらあら♪」
Aに微笑まれながら
そう言われたナツとグレイは、
頬を真っ赤にしてそっぽ向いた。
一方、その頃――
ロキはA達から離れて、
今度はルーシィを口説いていた。
「君って本当に綺麗だよね。
サングラスを通してもその美しさだ…
肉眼で見たらきっと眼が潰れちゃうな」
「潰せば」
ロキの口説き文句は、
ルーシィには効かなかった。
その後もめげずにロキは口説いていたが、
ルーシィのベルトにぶら下がっている
星霊の鍵を見た途端に飛び退いた。
「うおおっ!?
ル、ルーシィ…君、星霊魔導士!!?」
「そうだけど?」
「な…なんたる運命のイタズラだ!
ごめん!僕達はここまでにしよう!!」
ロキはそう言うと、
慌ててギルドを飛び出した。
「何か始まってたのかしら…てか、何アレ」
『ロキは星霊魔導士が苦手なの』
「どうせ、昔女の子絡みで何かあったのよ」
『ミラって時々、
鋭利な言葉を使うよね…』
タッタッタッ――
すると、
走り去った筈のロキが
顔面蒼白にして再びギルドに帰ってきた。
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作者名：ゆき | 作成日時：2023年3月11日 19時
