妖精の尻尾の姫_1章【FAIRYTAIL】 (ページ33)

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帰還の知らせ④ ページ33

『同じ師匠の元で修行してた
　っていうのもあるけど、
　何かとグレイと一緒にやるとやりやすいから
　ギルドに入ってすぐにチームを組んだの!!』

「Aとグレイは息ピッタリなんだよ!!」

『それに、
　仕事がやりやすい以外に
　私はグレイと一緒にいるのが
　心地良くて毎日楽しいなって思ってるんだ…
　あ、これはグレイには内緒ね?』

Aはルーシィにそう言うと、
少し恥ずかしそうにはにかんだ。

「(Aの今の表情、すっごく可愛い…)」
　
Aのこんな表情を引き出すグレイが
羨ましいとルーシィが心の中で思っていると、
ナツは不貞腐れた様にしてAを見ていた。

「(ナツって耳良いし、
　さっきの話…聞こえちゃってたのかしら?)
　それで、2人は仕事の帰りだったのね」

「あぁ。
　マグノリアへ帰るには、
　この森突っ切るのが近道だからな」

「ほーら!ほらほら!!」

「鼻が良いって自慢してたのに、
　Aとグレイの匂い
　分かんなかったでしょ?」

「Aの匂いは分かってたよ!
　けど、嗅ぎたくない匂いってあるんだよ?」

「んだとコラァ」

『まぁまぁ…』

Aがグレイを宥めていると、
ナツがAの肩に腕を回した。

「うっせぇなー
　テメェはとっとと1人で帰れよ。
　Aはオレ達と帰るから」

「Aはオレと帰るんだ!
　何でお前らと帰る事になってんだよ!!」

『あはは…
　でも、ナツ達も
　早めにギルドへ帰った方が良いと思うよ?』

「あぁ…早く帰らねぇとヤベェからな」

「何がヤバイの?」

「もうすぐ"エルザ"が帰ってくる」

グレイがそう言うと
ナツとハッピーは明らかに動揺し、
ルーシィは目を輝かせていた。

「はぁ!!?」

「エルザ、帰ってくるの!?」

「エルザって…あの!!?」

「妖精の尻尾(ﾌｪｱﾘｰﾃｲﾙ)
　最強って言われてる魔導士の1人だよ!!」

「すごーい!会いたい!!
　でも、エルザって
　雑誌とか写真全然出ないけど…
　どんな人なの?」

「「「怖い」」」

『強くて優しくて可愛い人だよ!!』

「えっ?」

ルーシィは、
エルザに対する男性陣とAの
印象の差に困惑していた。

「野獣」

「ケダモノ」

「もはや魔物だね」

「うーん…」

ルーシィはナツ達の言葉で
エルザのイメージを膨らませたが、
街を薙ぎ払う巨人のイメージしか湧かなかった。