妖精の尻尾の姫_1章【FAIRYTAIL】 (ページ30)

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帰還の知らせ① ページ30

妖精の尻尾(ﾌｪｱﾘｰﾃｲﾙ)
ギルド内――

Aとグレイがギルドに着くと、
ギルドがいつもよりも静かに感じた。

Aはそれに違和感を覚えながらも、
そのままカウンターへ向かった。

『今日はやけに静かだなって思ってたけど、
　ナツがギルドにいないからなんだね』

「たまには静かなのも良いだろ?」

『いつもナツがいると、
　グレイは喧嘩しちゃうもんね!』

「オレからは喧嘩ふっかけてねぇよ。
　いつもアイツがムカつく事しやがるからだ」

『そういうところは、
　2人とも昔から変わらないよね』

Aがそう言って笑っていると、
レビィがカウンターにやってきた。

レビィはカウンター越しに
ミラに話しかけていた。

「あれ?
　エバルー屋敷の
　1冊"20万J(ｼﾞｭｴﾙ)"の仕事…
　誰かに取られちゃった?」

「ええ。
　ナツがルーシィとAも
　誘って行くって言ってたけど…
　A、ナツから声かかってなかった?」

『特に何も言われてないよ?
　私にも声かけてくれれば良かったのに…』

「行かなくて良いんだよ。
　エバルーって奴、
　とんでもない変態らしいからな」

『ナツとハッピーはともかく、
　ルーシィは大丈夫なのかな…?』

A達はナツ達が行った
仕事について話していると、
マカロフがA達の元にやってきた。

「レビィ、それにA、
　行かなくて良かったかもしれんぞい」

「あっ、マスター!!」

『おじいちゃん、それってどういう意味?』

「その仕事…
　ちと面倒な事になってきたのじゃ。
　たった今依頼主から連絡があってのぅ」

「キャンセルですか?」

「いや…
　報酬を"200万J(ｼﾞｭｴﾙ)"に
　つり上げる…だそうじゃ」

マカロフがそう言った途端、
ギルド内がザワつき始めた。

『本1冊に対して、
　200万J(ｼﾞｭｴﾙ)は流石に高すぎる…
　この依頼、何か訳アリなのかな?』

「何だか面白そうな事になってきたな」

『そういう事言わないの!
　それと…グレイ服』

「のわっ!!」

Aは小さく溜息を吐いて
目の前にある紅茶を一口飲んだ。

「そういえば、
　この間言ってた事だけどよ…」

『それって、
　一緒に行きたい仕事ってやつ?』

「あぁ。でも、お前もう足平気なのか?」

『うん!
　あの後グレイが手当てしてくれたから、
　もう大丈夫だよ!!』

Aは紅茶を一気に飲み干して
ミラにお金を払うと、
鞄を持って椅子から立ち上がった。