火竜と猿と牛�� ページ24
「良いか?
妖精の尻尾(ﾌｪｱﾘｰﾃｲﾙ)の
メンバーは全員仲間だ」
「ウホホォッ!!」
「じっちゃんもミラも」
「来たわよ!!」
背を向けるナツに向かって
突っ込もうとするバルカンに、
ルーシィは指を差してそう言った。
しかしナツは、
ルーシィの方を向いたまま
話を続けていた。
「うぜェ奴だが、
グレイやエルフマンも」
「分かったわよ!分かったから!!
後ろ!!ナツ!!!」
バルカンはナツのすぐ側まで来ていた。
Aは念のため
いつでも攻撃出来る様に体制を取って、
バルカンから目を離さなかった。
「ハッピーもAも、
ルーシィもみんな仲間だ。
だから…オレはマカオを連れて帰るんだ!!!」
ナツはそう言って振り返ると、
炎を纏った足でバルカンを蹴り上げた。
バルカンは
Aとルーシィの頭上を通過して、
地面に落下したのだった。
「早くマカオの
居場所言わねぇと、
黒コゲになるぞ!!」
バルカンは起き上がると、
頭上に出来たつららを折って
ナツに投げ飛ばした。
「ウホホッ!!!」
「火にはそんなモン効かーん!!」
身体に当たるつららが、
ナツの炎の熱によって水になって溶けた。
氷が効かないと分かったバルカンは、
今度は落ちていた斧を持って
ナツに襲いかかった。
「ウホ」
「それは痛そうだ」
「タウロスの斧!!」
「キェエエエエエッ!!!」
奇声を発しながら、
滅茶苦茶に斧を振り回す
バルカンの攻撃を避けるナツだったが、
足場は凍っている。
当然、先程の様に氷の上は――
「なっ!!?」
ドシンッ――
滑る。
バルカンは倒れたナツに向かって、
思い切り斧を降り下ろした。
「ウホォー!!!」
『ハッピー!ルーシィをお願い!!』
「あい!任せて!!」
「A?」
『雷帝!!』
Aが雷の魔法を繰り出すと、
辺りが眩しくなった。
「眩しい…!!」
「ウホー!!」
光が消えた後に
バルカンの方を見ると、
先程ナツが突き落とされた壁穴に
黒焦げの状態で挟まっていた。
「A、スゲェ!!」
「バルカンを
一瞬で倒しちゃった…
Aって凄い!!
でもこの猿に、
マカオさんの居場所を
聞くんじゃなかったの?」
「あい。完全に伸びてるね」
『それは大丈夫だよ!』
「えっ?」
『ほら』
Aがそう言った後、
バルカンの身体が光に包まれたのだった。
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作者名：ゆき | 作成日時：2023年3月11日 19時
