火竜と猿と牛�� ページ22
『私の仲間に…何してるの?』
ルーシィは初めてAに恐怖を覚えた。
Aの口元は薄く笑っているが、
その身体から放たれるオーラと魔力に
思わずルーシィは足がすくんだ。
自身に向けられていないと理解はしているが、
ルーシィの身体は震えていた。
「女ぁー!」
「A!!」
ドカッ――
自身に抱き付こうとしたバルカンを、
Aは思い切り蹴り飛ばした。
蹴られたバルカンは、
後ろに吹き飛んだのだった。
『いった…』
「A!!」
バルカンを蹴り飛ばしたAは、
その場に座り込んで足首に手を当てていた。
どうやら、
バルカンを蹴った際に捻挫した様だ。
「A!大丈夫!!?」
『あはは…
普段の仕事では
魔物を蹴り飛ばしても平気なのに、
ちょっとドジしちゃったみたい…
ルーシィを守るって言ったのに、
こんな姿…情けないよね』
「情けなくない!
A!ここはあたしに任せて!!
開け!!金牛宮の扉、タウロス!!!」
「MOー!!」
『牛の星霊…?』
「あたしが契約してる星霊の中で、
1番パワーのあるタウロスが相手よ!
このエロザル!!」
「ルーシィさん、
相変わらず良い胸してますなぁMO!
ステキです!!」
タウロスの発言に
溜息を吐くルーシィを見て、
Aは苦笑しか出来なかった。
ズキン――ズキン――
『…っ』
Aは足首の痛みに、
思わず顔を歪めた。
『(ちょっと捻っただけなのに、
こんなに痛くなるとは思ってなかった。
ルーシィのフォローをしたいけど、
今は無理に動かすべきじゃないよね…)』
Aがそんな事を考えていると、
ルーシィの星霊であるタウロスと目が合った。
「ん?そちらのお嬢さんも良い乳して…ブッ!!」
「Aにそんな事言わないの!!」
Aの豊満な胸元に反応したタウロスに、
ルーシィは強烈なパンチを入れた。
「ウホッ!オデの嫁と女とるなっ!!」
「俺の嫁と女?」
するとバルカンの言葉に、
タウロスが反応した。
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作者名：ゆき | 作成日時：2023年3月11日 19時
