月に吠える�� ページ10
一方、その頃――
ウォーリー達が
奪った定期船では、
自由になった仲間達が騒いでいた。
「おぉ!見ろよコレ!!
映画魔水晶(ﾗｸﾘﾏ)だ!!!」
「みゃあ?
映画魔水晶(ﾗｸﾘﾏ)…?」
「映画を記憶させた水晶だよ。
奴等、こんなモン持ってたのか」
「映画って何?」
「物語さ。
役者が芝居をして、
お話を見せてくれるんだぜ。
ま、オレも見た事ねーんだけど」
ウォーリーはそう言いながら、
映画魔水晶(ﾗｸﾘﾏ)のスイッチを押した。
すると突然、
スクリーンに現れた男性が
銃を発砲した。
「おおっ!!」
「みゃっ!!」
ミリアーナは突然の事に驚いていたが、
ウォーリーはスクリーンに映る男性を
目を輝かせて見ていた。
「シブイィィー!!」
「姉さん、遅いなぁ…」
ウォーリーとミリアーナが映画を観ている中、
ショウは建設中の楽園の塔を見つめながら
小さく呟いて溜息を吐いたのだった。
楽園の塔 懲罰房――
ジェラールの発言に、
エルザは困惑していた。
「ジェラール?
何言ってんの…?
一緒にこの島から逃げるのよ」
「エルザ、この世界に自由などない」
「えっ!?」
「オレは気付いてしまったんだ。
オレ達に必要なのは、
かりそめの自由なんかではない。
本当の自由…ゼレフの世界だ」
そう言ったジェラールは、
不気味で歪んだ笑みを浮かべていた。
「今なら"奴等"の気持ちも少しは分かる。
あのゼレフを復活させようとしていたんだ。
だが…奴等はその存在を感じる事が、
出来ない哀れな信者どもさ…なぁ?」
「ぎゃー!!」
ジェラールはそう言うと、
その場に倒れている信者の1人を
踏みつけたのだった。
「この塔はオレが貰う。
オレがRシステムを完成させ、
ゼレフを蘇らせてやる」
「ど、どうしちゃったの?ジェラール…
何言ってるのか全然分から…!!」
そう言いかけていると、
エルザは目の前の光景に目を見開いた。
ジェラールが信者に手を翳した瞬間、
真っ赤な血が勢い良く飛び散ったからだった。
「や、やめて…くれ…」
別の信者が必死に命乞いをするが、
ジェラールには通用しなかった。
「ぶはっ!!」
「これってもしかして、
ジェラールの…魔法なの?」
「うわあぁっ!!」
「やめて!ジェラール!!」
懲罰房が赤く染まっていく光景に、
エルザは耐え切れなくなって必死に叫んだ。
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ゆき(プロフ) - ランドさん» ランドさん初めまして！そう言って頂けて本当に嬉しいです！！これからも温かく見守って下さると嬉しいです(^^) (5月20日 20時) (
レス) id: af9c55662b (このIDを非表示/違反報告)
ランド(プロフ) - いつも楽しみにしていて続きが気になります！これからも頑張ってください！応援してます！ (5月19日 13時) (レス) id: fd6767c807 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆき | 作成日時：2023年5月7日 4時
