1092話 ページ42
✩
｢女神だ…｣
｢ねぇゆうたくん、ここ天国…？｣
｢ち、違うと信じたい…｣
｢さっきから何言ってるんですか！？｣
私がハープをうまく弾けるように練習してると、二人で何かおろおろしてた
こっちは練習不足すぎてピリピリしてるのに
｢Aが怒ってる。リラックスリラックス〜♪｣
｢むぐっ！？｣
｢あはは、もちもちしてる…♪｣
全然気づかなかったけど、いつの間にか後ろに凛月がいた
…なに怒ってるんだろう
凛月の笑顔を見てたら、段々気持ちが落ち着いてきた
むかむかするなんて、私はアホか…
｢凛月ありがとう。ゆうたさんとひなたさん、さっきはごめんなさい…｣
｢いやいや、集中してたのに喋ってすみません｣
｢ハープは俺ら専門外なので、教えることもできませんし。練習頑張ってください！｣
｢…はい！ありがとうございます♪｣
逆ギレされてもおかしくないのに、謝ってくれるし応援してくれるしで、本当に大人な対応だなぁ
私よりずっと凄いよ
生きてるだけで精一杯で、周りに怒って…
｢おっ、ここにいたのか。A、さっきお客さんが来てたぞ｣
｢また…？教えてくれてありがとね｣
ま〜くんに教えてもらうと、私は立ち上がった
…やだな
本当は行きたくない
苦しいよ…
｢…凛月｣
｢ん？…！？｣
｢なっ！？｣
｢｢おおぉ〜…！！｣｣
私は凛月にキスをした
抱きつくだけじゃ、この不安を消しきれなかったから
｢なぁに？そういう気分なら俺も…♪｣
｢やめんか！！急にどうしたんだよA！｣
｢ふふっ…なんか、今はそういう気分だったの！｣
凛月の元に帰りたい
だから今は、頑張らないと
｢凛月ありがとう！それじゃ、行ってくるね…♪｣
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作者名：赤月 音 | 作成日時：2021年3月15日 6時
