768話 ページ18
✩
案内されると、部屋の一番真ん中に座らされた
うっ、ここお酒くさい…
｢けほっ、こほっ…｣
｢咳き込んで大丈夫か？具合でも悪いのか？｣
｢だ、大丈夫です…｣
おじさんが顔に近づいてくると、余計に臭いがきつくなってしんどかった
うえ、ほんとにやだ…
｢お前酔っ払いすぎだろ〜！｣
｢ひっく…あぁ、こんな所に可愛い子がいるじゃねぇか…♪｣
｢っ…！？｣
｢…｣
｢え、あ…｣
身の危険を察知して避けると、その人は固まった
え、うそ…
怒ってる…？
ま、まずい…
｢いやいや！今のは違うんです！｣
｢あはは！そうだよなぁ、いや〜びっくりした〜♪｣
｢っ、あはは…え、ちょっ！？｣
｢大人を不機嫌にさせるなんて、悪い子だなぁ♪｣
｢な、何するんですか！？｣
その人は私に抱きつきながら寝転ぶと、そのまま全体重で押し倒してきた
なんで周りは笑いながら何もしないの！？
｢野球挙しようぜぇ♪｣
｢…？｣
｢ルールは簡単。さいしょはぐ〜、じゃんけん…｣
｢え？えっと…｣
｢ぽんっ！｣
うわ、負けた…
するとその人は怖いぐらいにやついた
これ絶対よくない気がする…
｢やっぱ、まずは上着だろ〜｣
｢えっと…｣
｢負けたほうが勝った人に指定された場所を脱ぐ。簡単だろ？｣
｢は、はい！？｣
え、それ野球全然関係なくない？
まだブレザーだから良かったけど、これずっと続いたら…
｢あぁ〜、カーディガンも着てんのかよ〜｣
｢次で下着ぐらいは見えるんじゃね！？｣
｢…｣
つ、つまり…これ、ずっと勝てばいいんだよね？
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作者名：赤月 音 | 作成日時：2021年2月28日 19時
