725話 ページ25
✩
｢ライブがひと段落するまで、お預けかなぁ…｣
私はグラウンドに向かうと、例の場所にいた
しゃがんで、見えている木箱をぼんやり眺める
｢もうちょっとだけ、待っててね…｣
この木箱が何なのか、凄く気になるけど
今はライブが大事
今日はぐっすり寝ないと
だって、明日が本番だからね
｢…A。俺、夢を見たよ｣
｢え？｣
｢すっごく綺麗な人が眠ってて…それを、多分俺のひいおじいちゃんかな？吸血鬼がその人と出会うの｣
りっちゃんが言ってる人って、私が見た人と同じ？
そんな偶然が…
｢そ、そうだ。その綺麗な人って、方言使ってなかった？｣
｢使ってた気がする…｣
｢…！｣
やっぱり！
私はそのままりっちゃんの話を聞いた
｢その人は言ってた。今まで自分を匿ってくれていた夫婦が、知らない人に殺されて、逃げてきたって｣
｢なっ…！？｣
｢自分は家には帰れないから、寝床を探してるって…泣きながらその人は話してた｣
｢そうだったんだ…｣
｢そこで、ひいおじいちゃんは家に居候させられないか頼んでた。けどダメだった…｣
りっちゃんは憎そうに言った
｢天城の女性は神の使いだから、俺たち吸血鬼は殺されるって。空の瓶を投げつけて、追い払ってた｣
｢っ…｣
｢その後は見てないから、よく分かんないけど…｣
聞いただけで、かなり悲惨な人生を送っていたことが伺える
私が呑気に平和に過ごしていた日々とは大違い
りっちゃんは、はっきりとこう言った
｢その人は人生においてすべて、本気だった｣
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赤月 音(プロフ) - ミズキさん» 嬉しいです！かなり長編ですが、最後までお付き合いください！！ (2021年12月27日 19時) (
レス) id: 2f5f5d572a (このIDを非表示/違反報告)
ミズキ(プロフ) - 面白いです♪こんなに長く書けるなんて尊敬しかない！！ (2021年12月27日 12時) (レス) id: 5cf73cb0ec (このIDを非表示/違反報告)
赤月 音(プロフ) - 碧生さん» ありがとうございます！！これからも頑張ります！ (2021年3月1日 15時) (レス) id: 2f5f5d572a (このIDを非表示/違反報告)
碧生 - 凄い面白かったです！！これからも応援してます！ (2021年2月28日 10時) (レス) id: 7ffc4172b1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：赤月 音 | 作成日時：2021年2月24日 7時
