489話 ページ39
✩
『〜♪…っ〜♪〜♪』
息は途切れ途切れで、腕も足も動かすのが辛い
これじゃあまるで、お遊戯会みたい…
『〜♪…はっ…はあっ…』
「「わあああああああああ!!!!!!!」」
「頑張って〜〜!!!!!」
「頑張れヨウちゃ〜〜ん!!!」
『はあっ…はぁ…!』
私はついに、立つ力も失った
ステージのど真ん中でへたり込む私に、りっちゃんはまたしてもすぐ駆けつけてくれた
りっちゃんも息切れしてるのに…
「A!!これ以上続けたら本当に…!」
『はぁ…はっ、りっちゃん…はぁっ…わ、私を…』
「な、なに?」
地面にへたり込んでいた私の身体を支えてくれていたりっちゃんに、今まで我慢していた言葉をついに言ってしまった
焼けた喉で、必死になって振り絞った声は…
『私を、置いてかないでっ…』
なんとも情けない言葉だった
「…」
『…寂しかったの?ずっと?だからこんな所まで、ついてきちゃったの?』
『はぁっ…はっ…はぁ…』
『…』
こんな子供みたいな理由、今更みんなの前でばらさないでよ…
"りっちゃんも私も"、泣きそうになった時だった
観客席にいた誰かが、ペンライトの色を変えた
『え…?』
「…!?」
また一人
また一人と、色が変わっていく
「う、うそ…」
"私もりっちゃんも"、呆然とただ眺めていた
集計はまだされていない
ここで変えたら、それは私の票になる…
あっという間に満場一致で、観客席が真っ白になった
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作者名:赤月 音 | 作成日時:2021年1月31日 6時