幸せのおすそ分け１０【あんスタ】 (ページ40)

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490話ページ40

✩

夢ノ咲学院では、白は1点

つまり最低点な訳で、学校では白はあんまり宜しくないイメージがついてるんだけど

『結果は…満場一致で柊Aさんの勝利！！！』

『…っ、はあ…はぁ…や、やった…勝てだああぁ…』

『ぷっ…あはは！声ガラガラ…♪』

『う゛れじい…！！』

『あはは！ちょっと、笑かさないでよ…♪』

最低点をこんなに喜べる日がくるなんて、思ってもみなかった

嬉しすぎて泣きそうになったけど、舞台上では絶対に泣きたくない

私は強い子だから

…とか言いつつ、熱を出してるせいか目に涙が勝手に溢れてくる

『あ～あ、負けちゃった～。いや～悔しいな～♪』

『げほっ…よ、喜んでるじゃん…はぁ、はあ…』

『それで、Aは俺に何を命令したかったの？』

呼吸を整えてから言いたかったけど、あと数十分は整いそうにない

だから私は一度、大きく息を吸って答えた

『りっちゃん』

『なぁに』

『私を、Knightsの…りっちゃんのライバルとして、認めてください』

『ふふっ、仰せのままに…♪』

りっちゃんが手の甲にキスをすると、そのまま私をお姫様抱っこした

すると会場にはわっと叫び声が上がった

も、もう、抵抗する力も出ない…

『それじゃあ、俺はこのお姫様か女王様か分からない幼馴染みで両手が塞がってるから、今日はここまでね』

『はあ…はっ…』

『Aも、ばいば～いだって…♪』

やっと、終わった…

りっちゃんに運ばれている間に、私はもう意識を失っていた