360話 ページ10
✩
｢そんなの二人で行けよ〜。お前ら付き合って…｣
｢ないからね？｣
｢…はい｣
りっちゃんを起こしに行く時、ま〜くんに何か手伝える仕事はないか聞いた
今日も筋トレを兼ねて、私がりっちゃんをおんぶする
う〜んと唸ると、ま〜くんは何かを閃いた
｢そういえば最近、新しいポスター貼り替えたり調理室の備品検査とか、細かい仕事を放ったらかしてたな｣
｢やる！それなら私にもできそう！｣
｢…｣
｢…？｣
ま〜くんは私をじっと見ると、何か考え込んでいた
なんだろう？
｢Aが生徒会室に来て、お願いしてくれたら秒で片付く気がする｣
｢あはは、そんな訳ないでしょ〜。それに私、いつも忙しそうにしてる生徒会を手伝いたかったし｣
｢あ、あはは…そうだよな〜｣
正直に言うと、一番それが手っ取り早いと私も思った
でも生徒会を手伝いたいのは本当だし
さっさと片付けてま〜くんと遊びたい！
｢あの子…！｣
｢きゃあああ、可愛い〜…！｣
｢…？ふふっ♪｣
｢出た、必殺営業スマイル｣
｢ま〜くん！？｣
私がにっこり笑って会釈すると、その人達は嬉しそうに何度も手を振ってくれた
ファンサは大事って瀬名泉さんに習ったからね…♪
｢あ、あのっ！アイドル活動頑張ってください！｣
｢ありがとうございます！えっと…私も皆さんのこと応援します♪｣
｢何言ってんだお前｣
｢アイドルってこんな感じじゃないの！？｣
｢そこは応援されてありがとうで良いだろ！｣
ま〜くんと醜い争いを繰り広げてると、二人の女子高生は私を見て青ざめてしまった
…？
慌てた様子で逃げていく…
｢そ、それじゃあ！失礼します！｣
｢へ？あっ、はい！えと…頑張ります♪｣
｢ひえ、目が合ったら殺される…！｣
｢｢(誰に！？)｣｣
この時後ろでりっちゃんが睨みつけていたことなんて、私は多分二度と気づかないと思う
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作者名：赤月 音 | 作成日時：2021年1月27日 18時
