幸せのおすそ分け１【あんスタ】 (ページ22)

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22話ページ22

✩

｢…あれ｣

｢A！｣

｢うぐっ…｣

だから、なんでこの兄弟はおぶさったりタックルしたりしたがるの…？

気がつくと、りっちゃん家のリビングのソファで寝転がっていた

隣には大泣きしたりっちゃんがいた

あぁ、ぼんやり思い出してきた…

｢ひっく…うぅっ…ごめんね、A…！｣

｢わたしはだいじょうぶだよ。だから、そんなになかないで？｣

｢で、でも…｣

｢Aちゃん、危うく死んじゃうとこだったのよ｣

｢…へ？｣

人はある一定数以上の血液を短時間で失うと、ショックを受けて死んじゃうらしい

それを聞いて、私は涙が溢れてきた

りっちゃんは謝ったあと、りっちゃんママに連れられて自室へ戻っていった

私はれいちゃんと二人きりになった

｢うっ…ひっく…｣

｢…こわかったな｣

｢うん…だってわたし、りっちゃんを人ごろしにするとこやったもん…｣

｢…え？｣

｢りっちゃんをなかせたら、血あげたいみ…ぐずっ、なくなるやんかぁ…｣

方言なんか何も考えずに、私は思っていたことをれいちゃんにそのまま伝えた

私はりっちゃんを喜ばせたくて、元気にしたくて血をあげるって言ったのに

私の浅はかな考えのせいで、私が死んで、りっちゃんを泣かせる様なことがあったかもって考えると…

自分が最低すぎて、悔しくて涙が溢れてくる