21話 ページ21
✩
｢おじゃましま〜す…？｣
りっちゃんやっと元気になったと聞いて、私はりっちゃんの部屋に入ってみることにした
因みに、今日はま〜くんはいない
｢あっ、A！｣
｢りっちゃん！もうへいき？｣
｢ちょっと体がおもい…でもへいきだよ。それより、おてがみありがとう。くまさんかわいかった｣
｢…！さすがりっちゃん！どういたしまて！かぜひくとえらいよね、分かるよ〜｣
｢…？かぜをひくとえらいの？｣
｢え？…あっ、ごめん！つらいって意味だよ！｣
あれ…？えらいって伝わらないんだね
これがお母さんの前じゃなくてよかった…
｢せっかく来てくれたのにごめんね。今日はちょっとしかお話できない…｣
｢だいじょうぶだよ！何かようじ？｣
｢ううん、そうじゃないけど…｣
そう言うと、りっちゃんは私をチラチラ見てきた
その視線は私が今まで味わったことのない感情だから、よく汲み取れなかった
なんで私を見るんだろう…
｢おこらない？｣
｢おこらないよ！｣
｢A見てると、血がほしくなるから…｣
｢…ち？｣
｢う、うん…｣
そういえば、りっちゃんは吸血鬼なんだっけ
一度も吸われた事もそれっぽい行動もされてなかったから忘れてたけど、そうだった
｢いいよ！りっちゃんがげんきになってくれたら、わたしはそれでじゅうぶんうれしいもん！｣
｢ほ、ほんと？｣
｢うん！｣
採血だと思いながらりっちゃんに近づくと、りっちゃんは私の服をずらして肩に思いきり噛みついた
その後の記憶はぼんやりとしかない
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作者名：赤月 音 | 作成日時：2020年3月15日 0時
