一生に一度のアイドル体験 ページ46
｢す、凄いです…！｣
｢本当に全ユニットの曲歌い上げた…｣
｢パフォーマンスもすんっごい良かったんだぜ〜！｣
｢俺と同じで受験生だったよな…？いつの間にこんな練習を…｣
演奏が終わると、一般人じゃ有り得ないほどの拍手喝采をお嬢様(と三奇人)は浴びた
まだ拍手が鳴り止まない中、お嬢様は…
｢えへへ、零くんおんぶ〜♪｣
｢そんな遠慮せずとも、お姫様抱っこするぞい…♪｣
｢…あっ！そうだった！！｣
衣更くんの声とほぼ同時に、お嬢様はにこにこの笑顔で台詞を捨ててマイクをオフにした
｢たのしかった〜！！忙しいのに来てくれてありがとね！じゃあ私は逃げるから〜♪｣
｢そうだ！観客も捕まえなきゃいけないけど、あの三奇人にA先輩が加わったら絶対捕まえられる気がしない…！｣
｢あははっ！サリ〜から逃げろ〜♪｣
｢こら！お前らも同罪だからな！逃げるな！！｣
感傷に浸る隙すら与えないまま、お嬢様の一生に一度のアイドル体験は幕を閉じた
それにしても、凄いな…
｢(毎日いつもの三人組たちと集まって、カラオケで練習してただけあるな…)｣
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
｢ライブハウスすっご〜！なんかちっさいね！｣
｢うぐっ…｣
｢あんた、かおくんに失礼すぎでしょ。無料で使わせてあげるって言ってるのに｣
｢ほ、褒めてたんだよ〜？こんな小さいライブハウスに、いっぱい人が来るほど人気なんだな〜って♪｣
｢物は言いようだな…♪｣
…とか
｢こんな薄暗いとこいたら、私襲われちゃ〜う…♪｣
｢ジュース飲みたい人は〜？｣
｢俺は大丈夫。守沢は？｣
｢俺はオレンジジュースが飲みたい！｣
｢…｣
とか、そんな話ばっかりで
全く恋愛に発展しなくて少しほっとした
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作者名：なな | 作成日時：2024年3月23日 17時
